伊勢は津でもつ 津は伊勢でもつ(1)

「『水神祭』をあげた鷲澤は、F持ちで早いSにはいかないだろう。ピット離れに不安があるもののモンキー逃げで一気に運ぶのか」
 この文章、なにを言っているのかがすっと解る人はかなりの業界通である。この業界に縁のないワシャには当初まったく理解不能だった。

 日垣隆さんは言う。(と書いてから11時間経過している。4時間ほど寝たし、余所事もしていたから正味でいうと4時間くらいかなぁ・・・以前、日垣さんがどこかに書いていたことを引用しようと思いつき必死に資料をあさったのだが結局見つからなかった。)
 日垣さんはこんなことを言っていたような気がする。(と書きながらまだ探しています。で、ようやく見つけました。)
 日垣さんは言った。
《私の場合は直接であれ間接であれ、他者から助言されて「それは良いことだ」と思えるものを即日行動に移すことが、35歳くらいから簡単にできるようになりました。》
《選挙でもスポーツでも、勝ち負けが好きなくせに、私たちはたいてい真剣勝負をしていません。何かに毎日挑戦しているという人に感動するとしても、自分は怠惰です。協調や現状維持を優先するあまり、リスクをとって地平に臨む決断を避けがちだからでしょう。》
《決断とは、最善と思われる道を選び、次の局面に進むこと。そのために、敢えて思考を打ち切る瞬間のことです。》
 ワシャに内蔵する『決断力』を見極めようと、あるいは『即日行動力』を向上しようとして冒頭の不可解な言葉が飛び交うボートレース場に金曜日、土曜日と取材に行った(遊びに行ったとも言う)。30分に1回という短い時間に次から次へと「決断」を迫られる競艇は、自分の決断力を高めるには格好の試金石だった(言い訳ですけど・・・)。
 レースの情報はいろいろとある。新聞、チラシ、本、人からの情報、目の前で展示走行するボート・・・これらを短時間で分析し、自分のふところ具合と相談しつつ決断をするのだ。100円を賭けるのにどえらい苦労をしてしまった。
(「伊勢は津でもつ 津は伊勢でもつ(2)」に続く)