車内の風景

 昨日の上京する新幹線車内での出来事だ。
 東海、東南海地震での列車の脱線が嫌なので、乗る車両は最後尾から2番目の禁煙車両と決めている。つまり上りなら2号車ということになる。後ろから4列目の2人掛けに座っておもむろに廣井先生の著書を出して読みはじめた。車内は10人程度しか乗客がおらず快適そのものだ。
 浜松で親子連れが何組か乗ってきた。父子2人連れが6列目のシートに座り、夫婦と幼児2人の家族連れが3列目に陣取った。ガキンチョに挟まれてしまった。6列目のガキは小学校低学年くらいだろうか。やたらと車内を徘徊する。私の横に来ると3人掛けのシートが回転をするのが面白いらしくペダルを踏んで動かしていたが、すぐに飽きてシートを斜めにしたまま自席に戻ってしまった。
 見ず知らずのおじさん(私です)は立ちあがって「ぼく!椅子を直しなさい」とかなり厳しい口調で注意をした。ガキンチョはへんなおじさんに突然叱られて驚いていたが、すごすごと席をたち椅子を直して戻った。その間、父親は鳩が豆鉄砲を食らったような顔(どんな顔でしょうねぇ)で呆然としているだけで、「すいません」とか会釈とかなにもない。もちろんそんな父親に育てられているからガキンチョも「ごめんなさい」とも言わず、へんなおじさんを睨むだけである。それにしてもガキンチョがサバイバルナイフを持っていなくてほっとした。剣呑剣呑。
 そして3列目の幼児2人である。これがやたらと大きな声で話をする。両親は「静かにしなさい」と言ってはいるが、幼子である。止められるものではない。結局、へんなおじさんの読書はずーっと妨げ続けられたのである。で、こっちのほうはやむを得ない仕儀なのでずーっと耐えたのである。
 提案したい。禁煙車両があるのだから、禁ガキ車両をつくってもらいたい。う〜ん、禁ガキというのも露骨だから「子供専用車」というのがいいか。なにしろ静かに車窓の風景を楽しみたい客もいるのだから。