本を読んで震災を忘れないでおこう

 もう大震災から3年になるのか。人の記憶の風化が早いというか、東北以外ではあの大災害は過去のものになりつつある。我々は決して大震災を忘れてはいけない。

 昨日も仕事帰りにブックオフといつもの本屋に寄った。このところムカつくことが多かったので本を買いまくったのじゃ。といっても新刊7冊に古本を27冊なので大したことはない。ただ、自転車では少し重い量なので、帰りは引いて帰ってきたけどね。
 買った本はそのまま放置せず、ざっと目を通す。どうだろう、1時間半くらいかなぁ。食事をしつつ、テレビを観つつ。目次などはすでに本屋で一度目にしているので、2回目ということになる。そこでおもしろそうな箇所を拾い読みして、時には付箋もうつ。そうすると本はそれまでの硬い表情を崩して、ワシャの家に馴染みはじめる。一週間ほど脇のテーブルで熟成させておくと、いい具合になってそれぞれの分野の書棚に納まっていく。

 昨日、ワシャの家に来た本で、NHK取材班編『ライバル日本史4 抗争』(角川文庫)はついつい読み込んでしまった。とくに加藤清正小西行長の章は、視点の対立する早乙女貢逢坂剛の対談がスリリングでのおもしろかった。
 白洲正子『おとこ友達との会話』(新潮文庫)も対談本である。中でも養老孟司との対談は、まったくかみ合わないところが笑える。白洲さんが困っているのが行間からにじんでいる。
 野田知佑『日本の川を旅する』(新潮文庫)には、長良川の川下りの様子が描かれて、ワシャにもけっこう馴染のある川なので……。
 新刊では、渡部昭彦『日本の人事は社風で決まる』(ダイヤモンド社)がいい。人事畑の友人もいるので、目を引いたところを少し抜粋しておく。
《人事において社員からより多くの納得感を得るにはどうすればよいか。一番簡単な方法は、社員みんなの考え方や意思にもとづいて行動し、それを人事に反映させることだ。多数決とまでは言わないが、社員の最大多数が「こうだ!」と感じることを会社や人事部が実現しさえすれば、納得感も最大値になるに違いない。》
《人事部にとって一番避けるべき事態は「何であんな人間を昇格させたり、本来上がるべき人間を捨て置いたりするのか。人事や経営は何を見ているんだ」という意見や批判が社内に蔓延し、人事部の信頼性を貶めてしまうことだ。》
 ふ〜ん、なかなか興味深い。この本はじっくりと読んでみようっと。
 最後は、石井光太『遺体』(新潮社)である。これは、3.11を目前にしてもう一度あの震災を見つめ直そうと思って買った。副題は「震災、津波の果てに」である。あの震災でご遺体と対峙した人々のルポルタージュだ。重いけれど、3年を経てもう一度記憶をよみがえらせよう。そう思った。決して忘れない。それが大切だから。