落語会は楽しい

 夕べ、地元で落語会。
 出演は瀧川鯉昇、弟子の春風亭柳若、鯉毛(こいけ)。そして三遊亭歌武蔵、太神楽の鏡味味千代(かがみみちよ)という顔ぶれ。
 鯉昇は、相変わらず絶妙の間で、口から出まかせを吹きまくっている。長い枕は富士山をボロボロにこきおろし、「宿屋の富」に誘導していく。富くじに当たった男や宿屋の主があわてふためく様は、ほとんど言葉を発しないのだけれど、つめかけた200人の客は大爆笑だった。
 二つ目の柳若、前座の鯉毛もなかなかうまい。二人とも30代になってから鯉昇の門を叩いた遅咲きの落語家である。おそらく鯉毛は前座の中でも最年長ではないか。鯉昇の弟子は12人いるが、兄弟子に年下が何人もいるだろう。それだけに必死に修行をしているらしく、入門して2年目にしては噺がこなれている。声もいい。これからが楽しみな落語家だ。
 太神楽の味千代もよかった。いわゆる曲芸なのだが、やはりライブは違う。鯉昇で全身の力が抜けてしまったが、味千代でおもいきり力が入ってしまった。味千代の集中力たるや、いやはやなんとも凄いね。気があちこちに散らばるワシャには絶対にできまへん。
 そして歌武蔵である。高座に上がるとたんに「ただいまの協議についてご説明いたします」とくる。これは歌武蔵のいつものつかみなのだが、いかにも相撲部屋の親方然とした風貌と相まって寄席は大爆笑だ。その後、事故紹介をする。誤変換ではないですぞ。本当に事故紹介をして、本編の「浄土真宗の父とキリスト教の息子」の噺に継いでいく。これも大受けだった。3時間弱の落語会だったが、あっという間だった。
 終わってから、落語友だちと飲みに行ったことは言うまでもない。このところおもしろくないことが続いていたので、じつにいいストレス解消になった。めでたし。