維新塾に殺到する人々

 橋下大阪市長が旗揚げをする「維新政治塾」に2750人が殺到した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120211-00000033-mai-pol
 注目はされているようだ。しかし、、北川正恭三重県知事が言っているように、人材をよく見極めないと、石ばかりになる恐れがある。ここを注意されたい。
 あるいは、宮崎学さんが指摘するように、これも「自己啓発病」の一種ではないかと思う。この中のほとんどが「スキルアップ」「夢」「成功」の虚妄を抱いているのではないか。
 そういった意味では、論文提出を課したのは正しい。ここで多少の虚妄の石は排除できる。間違っても横峯良郎のような「真性バカ」や「ポジティブバカ」が紛れ込まないようにしてもらいたい。中間試験、卒業試験をもうけるのもいいと思う。基礎的な地頭を持ち、「未曾有」を「みぞう」と読むくらいの知力がなければ、政治家などできるわけがない。
 ただ、気をつけなければいけないことは、すでに大阪維新の会に名を連ねているお歴々たちである。この人たちにも、塾生と同じ論文、試験を与えなければいけない。すでに加入しているから「免除」ではいけないのだ。極論を言えば、橋下大阪市長、松井大阪府知事も、それらの課題を上位でクリアする必要がある。それを見せてこそ、21世紀のニューリーダーとして万人に認められるだろう。
 そして、いつの世もそうなのだが、本当の玉は、残念ながら2750人の応募者の中にいないと思う。玉は自ら手を挙げてやってくるものではない。本物の玉は、それほど自己に対する評価が高くないはずである。
 それに、1年足らず、24回ばかりのセミナーに参加したからといって、政治的センスが磨かれるものではない。現在の政治家にバカが目立つからと言って、バカでは政治はできないのだ。それこそ松下政経塾を卒業した面々がまともな政治家かどうか、検証するまでもないでしょ。
本当の人材は、橋下さんが、発掘チームをつくって、日本全国津々浦々の草莽の中を探しまわって、ようやく数人ほどが見つかる程度のことではないか。しかし、その僅かばかりの人財が、時代を変えていくほどの働きをする。そのための前夜祭であるというならば、この2750人の殺到も無駄ではないのかもしれない。
 劉備が三顧した諸葛孔明のように、秀吉が訪ねた竹中半兵衛のように、真の人材が見つかることを、心より願っている。

 はてさて、こちらの凸凹チームはどうなることやら。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120210-00000206-yom-pol
 元々、目立ちたいというのがインセンティブになっているお二人だから、これといった思想を持ち合わせてはいない。だから、ズレが生じてくるのも当然と言えば当然のことである。
写真家の浅井慎平さんが、中京独立戦略本部会議の中で「知事、市長が何を考えているのか、まず聞きたい」と言わざるを得なかった。もちろん二人は、それに対して明確な答弁をしていない。だって、中身がなにもないのだから。
それがまた、目立ちたい一念で、「橋下維新塾」の模倣をして「東海大志塾」「河村たかし政治塾」を安く立ち上げるんだとさ。こちらは間違いなく石ばかりとなる。その惨憺たる有様が目に見えるようだ。
パフォーマンスより「志」である。そのことを肝に銘じてから、愛知、名古屋、その先にある「国のかたち」を論じるべきだと思うがいかがかな。