洪水で大騒ぎ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111017-00000086-mai-int
のバンコク在住の友人からメールが届いた。
取りあえず友人が住んでいる地域には被害がなかったということでホッとしている。しかし、一時期、洪水への不安から買い占めがあって、スーパーや生鮮食料品を売っている店舗から、食料や水が消えていったそうだ。でも、今は通常の状況に戻っているという。
また、土嚢の盗難が頻繁に発生しているとのことだった。危険個所に土嚢を積んでも、いつの間にか持ち去られている状況で、やはり「日本とは違うというのを実感した」とメールに書いてあった。バンコク周辺の被害についても、詳細な情報が記されていたが、末尾に、「6月の市川中車襲名披露のことが気がかり」と締めくくってあったので、まったく心配はなさそうだ。良かった良かった。
さて、今朝の新聞に「新資源メタンハイドレート」の見出しが載った。メタンハイドレートとは、いわゆる「燃える氷」というやつだ。この「燃える氷」の採掘実験が日米で共同実験する。これが実用化できれば、日本はエネルギー問題からほぼ解放される。だってさ、日本列島周辺にはこのメタンハイドレートが無尽蔵に埋まっているのだから。
でもね、そう易々とはいかない。なにせ海底深くに埋まっているのだから、液体である石油のように簡単には掘り出せないのである。
現段階で、メタンハイドレートは、EPR(Energy Profit Ratio)、つまりエネルギー収支比が悪すぎて、使いものにならないのだ。1リットルの石油を手に入れるため、2リットルの石油を使っていたら意味ないでしょ。メタンハイドレートはどれほど大量に日本近海に埋まっていようとも、それを取り出すエネルギーが得られるエネルギーを上回らなければ、無いのと一緒ということ。
もちろん研究することは大切なことなので、大いにやってもらえばいいが、あまり期待しない方がいい。
このところ、朝日新聞が「揺らぐ地震学」と題して、地震の予知について連載をしている。
たびたびこの日記でも取り上げるが、1976年に神戸大学のとぼけた教授が「1944年、46年の東海道・南海道沖の地震の際に、東海地震域だけが割れ残った。このため東海地震域には、未だに応力のエネルギーが蓄えらたままなので数年以内に東海地震が発生してもおかしくない」とうそぶいた。このために静岡県や愛知県は蜂の巣を突いたような大騒ぎで防災対策を練った。しかし、その後、35年間、東海地震域はうんともすんとも、ぷーっとも言ってくれない。
結果として件の先生、己がバカだったことを認めざるを得なかった。そもそも、割れせんべいでもあるまいに、割れ残っているという見解自体、わけがわからない。バカな研究者はときに大きな経済的損失を与えるという見本である。
ところが、この阿呆な教授のやったことはそれだけに収まらなかった。阿呆踊りで世間の耳目を東海地震に集めすぎてしまったために、他の地域の危険性が霞んだ。これが阪神・淡路大震災や東日本大震災の油断を招いているとすれば、この教授の罪は深い。
東京大学のロバート・ゲラー教授の言うとおり、地震予知なんてできないと思った方がいいだろう。