無防備都市宣言という愚挙 その1

 世界には軍隊を持たない国がけっこうある。
 太平洋では、ミクロネシア連邦パラオサモア、バヌアツ、ソロモン諸島、キリバツ、トンガ、ナウルクック諸島、ツヴァル、ニウエ、マーシャル諸島
 インド洋では、モーリシャスモルディヴ
 カリブ海沿岸では、パナマコスタリカ、ドミニカ、ハイチ、セントクリストファーネビス、セントヴィンセント・グレナディーンセントルシアグレナダである。
 もちろんヨーロッパにも非武装国は存在する。モナコ公国バチカンサンマリノアンドラルクセンブルグリヒテンシュタインアイスランドである。これらの国は軍隊を持っていないにも関わらず、ハイチのように地震後、混乱しているところもあるが、おおむね平和を享受する国である。
 なんて書くと、日本から自衛隊をなくしたいと思っている福島瑞穂あたりが喜びそうだけれど、もちろんワシャがそんなことを称えるわけがない。

 基本的に非武装国家というのは小国である。ツバルは1万1000人程度だし、クック諸島は1万3000人で、例えば国民男子が全員兵隊になったとしても人民解放軍の1個師団にも及ばない。だったら無理をして軍隊を編成するよりも大国の傘下に入って安全保障を取り付けておいた方がいいということで、例えばアメリカ、イギリスなどの従属国になっている。だから国連決議なんかでも宗主国の意向をそのまま表明せざるをえない。
 カリブ海沿岸にも非武装国が多いが、これはアメリカの裏庭という側面が強い。もちろんこれらの小国、貧国はアメリカと同盟を結んで、アメリカの軍事力をもって安全を保障してもらっている。

 これらの国々と日本を同じレベルで考えてはいけない。日本には1億を超す国民が住し、その国土も非武装国に比べて広大である。そして、近隣国は民主主義の通用しない帝国が核兵器を有し、重武装を国軍に施している。その上に日本の領土を虎視眈々と狙っていることも証明された。

 こんな状況で「国民の安全を確保する軍事力を持たない」なんて言っているのは、世界広しと言えども日本だけだわさ。お目出度い国というか、情けない国というか……。
(下に続く)