雇用情勢が一段と悪化している。地方の小さな自治体や共済組合にも一流大学の学生が殺到している。倍率40倍なんてあたりまえだ。必死に就職活動して、未だに内定をもらえない優秀な学生が巷にあふれている。小津安二郎の映画「大学は出たけれど」じゃないけれど、この不況はただものではない。
そんな切羽詰った学生を騙す連中がいる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091105-00000036-san-soci
人の弱みにつけこむこいつらはクズだ。
ずいぶん昔の話になるが、ワシャが学生だったころにも何十万円もの英語教材を売りつける詐欺商法があった。
まず、若いネーチャンから電話が入る。
「英語の勉強をしませんか?海外旅行にいきましょうよ」
てな感じで誘ってくる。純情だったワシャは言葉巧みなネーチャンに乗せられて、英語教材で勉強して英語が話せるようになるときれいなネーチャンと海外に行けそうな気がしてきたのじゃ。
アホなワシャは名古屋駅西口のオフィスビルの会議室に呼び出されたのだった。待っていたのはきれいなネーチャンではなくて、年の頃なら20代後半のスーツを着たニーチャンだった。
そこで英語教材についてパンフレットや写真を使って説明を受けた。でも、英語教材よりも若いネーチャンに興味のあったワシャは、どれだけニーチャンの話を聴いても買いたくならなかった。そのうちにあくびも出てきたので、
「もう帰るわ」
というとニーチャンはあわてて、お茶を出したり菓子をだして引止めにかかる。ニーチャンは額に汗しながら英語を学んで海外にゆく素晴らしさを能弁に騙る。ペラペラとよく動くニーチャンの唇を見ていて、唐突に、友だちが、名古屋駅西口近くの会社に就職していることを思い出した。もう夕方になっている。彼女を誘って飯でも食うか。そう思ったら行動は早い。
(下に続く)