本屋に立ち寄りました その1

日垣隆さんの新刊が届きましたよ」と書店から連絡があったので、仕事帰りに駅前のいつもの店に立ち寄った。
「昨日、ブックオフで大量に本を仕入れたところなので今日は控えめにしておこう」と思っていた。それでも、今度の総選挙のことが気になるので、雑誌コーナーで何冊かの週刊誌に目を通す。う〜む、買うまでの情報はない。やっぱり小泉進次郎はバカだということを各誌で確認して、レジカウンターに向かおうと歩き出したところ、視線の隅に「図書館」というワードが引っ掛かってしまった。こういうときにいつも思う。少林寺憲法をやるんじゃなかったと……少林寺憲法の奥義に「八方目」という技がある。正面を見ながらも170度くらいの視野範囲を常に見ているという難しい技なのだ。これがワシャには出来るんですな。ぐぐぐっと首を本棚の方に向けて、両眼で確認する。
「LIFEwork」の第7号だった。表紙は国際教養大学の図書館である。ずんばらしい図書館ですぞ。東京ドームのような構造がふんだんに使った秋田杉によって支えられている。調度、グランドの部分が学習室だ。回りの観客席の部分が書庫になっている。配置もデザインも斬新でお洒落だ。蔵書は5万8000冊、国際教養大学の生徒には少々もったいないかもしれない。
 とりあえず本棚好きのワシャは見過ごしにできない1冊である。購入〜。
 この1冊だけにしておこうと思ったのだが、その隣の「SAPIO」が目に入ってしまいましたぞ。「最終決定版!300小選挙区完全予測」という見出しが踊る。でもね、そんなのには騙されまへんで。買わないもんねーだ。その見出しの下に「日本史上最強の『外交英雄』は誰か」とある。むむむ、日本の外交史、現在のような腑抜け外交ではなく日本の外交官が強かった時代を読むのも悪くないかも……と思ったら「SAPIO」を握り締めていた。
 もうこれで大丈夫と、レジカウンターに向かおうと思ったのだが、ワシャの目は再び「八方目」になって次の獲物を見つけていた。
 本棚の中に紛れ込んでいた、ビートたけし編集「FAMOSO」(ネコパブリッシング)である。「ビートたけし」というワードに反応したようだ。仕方がないので手にとってパラパラと繰ってみる。
「ガハハハハハ!」
 大爆笑だった。店の人が普段は静かなワルシャワさんが、どうしたんだろうと不安げな顔でこっちを見ているではあ〜りませんか。あわてて顔を取り繕って、01号、02号と2冊あったのでどっちもカゴに入れる。
(下に続く)