本屋さんに行く

 昨年、職場で小論文を書く機会があった。テーマは「リーダーとして成すべきこと」というようなものだったと記憶している。そこでワシャは「ザ・リッツ・カールトンホテル」の顧客対応システムについて論じ、リーダーとして組織をそういった方向に導いていきたいというようなことを書いて、とりあえず合格をもらった。

 先日、ジョセフ・ミケーリ『ゴールド・スタンダード』(ブックマン社)の広告が新聞に載っていた。「ザ・リッツ・カールトンホテル 世界最高のお客様経験を作り出す5つのリーダーシップ法」という文章が添えられている。冒頭の経緯もあったので、興味をそそられネットで注文した。「届きましたよ」という連絡が入ったので、昨日、仕事帰りに書店に立ち寄った。
 書店の入り口をくぐればワシャの買い物衝動は止められない。
 およよ、『文藝春秋SPECIAL』が出たのか。今回のテーマは「映画が人生を教えてくれた」ですぞ。手にとってパラパラと繰ってみる。そうすると109ページにオードリー・ヘップバーンのお写真が……即、買いだ。
 ふと横の棚を見ると『巨大防衛都市・東京の隠された真実』(宝島社)が並んでいる。刺激的な題ではあ〜りませんか。表紙に迷彩服の自衛隊員が写っているのも好感が持てる(なんのこっちゃ)。帯には「公にされていない首都の秘密」とある。秘密は知りたいですよね(笑)。これもいつの間にか手に持っていたカゴに入れた。その隣りのコーナーは単行本のコーナーだ。ここでは、伊藤智永陸軍省高級副官 美山要蔵の昭和 奇をてらわず』(講談社)を見つけた。
 そしてもう1冊、面白い本があった。『空は高く 日本の名景ベスト50』(河出書房新社)である。日本全国の風景写真が50葉、総天然色。最初に登場するのはは見開き2ページに展開する「カラマツ林と大雪山」と題した写真で、圧巻である。
 手前に黄色の鮮やかな花を配し、その向こうに右手から三分の一ほど紅葉に色づいたカラマツ林があって、その奥が整然と耕された畑の丘陵地が何段も続いている。その丘が尽きる遠景に黄金色のカラマツの帯が流れている。その先に見えるのが真っ白な大雪山と真っ青な北海道の空だ。「北海道に行きてー!」と思ってしまった。
 もちろんこれもカゴ入りとなったのだった。めでたしめでたし。