夢の話

 大きな劇場だった。その劇場を4階席から見下ろしている。4階席まであるのだから随分立派な劇場なのだが、見下ろす舞台は小学校の体育館に設えてある部隊のようにちゃちなもので、1階フロアも観客席ではなくフローリングの板張りそのままだった。あるいは貧困なワシャのイマジネーションのことだから、ホントにその部分は体育館だったかもね。
 4階席にもシートはなく板張りだった。舞台を見下ろす最前列には低い手すりがあって、下を覗くと1階フロアに吸いこまれそうだ。落っこちると痛いだろうなァ。4階席舞台に向かって右側に鉄製の茶色の梯子が掛かっていて、3階に降りられるようになっている。それを使って階下に降りようかと思ったが、よく見れば梯子を天井に接着してある部分が壊れていて、針金で補修してあるではあ〜りませんか。こりゃ危険だ。だからワシャは舞台左側にあるコンクリート製の怪談を使って下に向かったのじゃ。
 ここが夢の夢たる所以で、4階から1フロア降りたら1階だった。まぁ手っ取り早くていいわサ。1階にはブルーにオレンジの切り返しの入った作業服を着用した消防隊員がたむろしていた。30人ほども居ただろう。その中に顔見知りの男がいて、そいつがワシャに直径3センチほどのピスタチオの殻を手渡した。ピスタチオは動いていた。よく見ると殻に大きな蜂が挿まれている。成人男子の親指ほどの腹がピスタチオからはみ出し蠢いている。かなりでかいスズメバチだ。腹の先端の毒針から琥珀色の液体が垂れている。おいおい、こんな物騒なものを渡すんじゃないよ。手で持っていると刺されそうなので、何か入れ物はないかと探しているうちに、スズメバチはピスタチオの殻から脱して空中に舞い上がった。うわっ!だから言わんこっちゃない。どうするんだよ。慌てているうちにスズメバチはワシャの髪の毛の中にもぐりこんで消えてしまった。
 その後、スズメバチのことは忘れて、見知らぬ駅前にワープした。駅前広場は縁日のように賑やかだった。駅ビルに向かって右手に屋台のたこ焼き屋が10軒ほど並んでいる。店にはそれぞれ派手な大漁旗が掛かっていて、その旗に使われている赤が印象的だった。ワシャの夢は間違いなくカラーですな。駅に向かって左手には鉄板を張った長いL字カウンターを並べた大きなお好み焼き屋が2軒陣取っている。その2軒の駅寄りの店でお好み焼きを買ったのだった。
 夢の中ではもっといろいろなことを体験したのだが、上記を書いているうちにトロトロと溶け始めて、大部分を忘れてしまったわい。どーでもいい話で、どーもすいません。