あたたかく見守ろう

 昔、クラスにいませんでしたか?
 勉強はできるし真面目なんだが、少し天然の入っているちょっとどんくさい女の子、学級委員に選ばれて張り切るんだけれども、クラスの悪ガキどもにいいようにあしらわれて、ベソをかいている丸川珠代(以下「丸代」と略す)が。

 けっして美人ではない。どちらかといえばキツネ顔の貧相なタイプだ。バラエティ番組でビートたけしにいじられていたころのキャラクターは「糞真面目」だった。もちろん作られたキャラだろうが、演出は天才タケシである。丸代の特性を看破して、そういう使い方をしているのは間違いない。本人も自分のことを「正直者」と言っている。

 丸代、確かに努力家だ。刻苦勉励して優等生になった。しかし視野狭窄である。物事を見つめすぎると周囲が見えなくなる。はっきり言えば政治家にもっとも不向きなタイプと言っていい。
 でも担任教師から「学級委員はきみしかいない」とか言われて肩をたたかれてしまった。真面目な丸代は、身体中にやる気を漲らせて「ハイ!」と返事をしてしまったんだろうね。その場面を教室の片隅でニヤニヤしながら見ている悪ガキグループがいたことも知らずに……

 皆さんは『じゃりン子チエ』という漫画を知っておられるかな?昭和の昔「漫画アクション」に連載されていた大阪の下町を舞台にした人情漫画である。この物語に平山ヒラメという少女が登場する。どんなキャラクターかと言うと、こんな小学5年生でしたぞ。
「努力家だが周りから鈍臭いと見られることを本人は気にしている。また絵と相撲が大の得意。特に絵は大阪府のコンクールで金賞を受賞したほど。だが反面、すさまじい音痴であり、その歌声は聴く者を悶絶させる。」
 この娘に丸代はよく似ているんですな。「絵と相撲」というところを「勉強」に換えてごらんなさいよ。丸代そのものの評になる。漫画に登場するヒラメは目が細く、口がでかい。ネ、そっくりでしょ。

 政治家は少しワルのほうがいいと、田中角栄の秘書だった早坂茂三も言っている。純粋培養のような丸代に政界を泳ぎきっていけるのかが心配ではある。
 
 かつて松岡利勝さんに注目していたのだがいなくなっちゃった。これからは丸代に注目することにしたのじゃ。めでたしめでたし。