意味なくでかい本

 昨日1冊の本を手に入れた。新行紀一(愛教大名誉教授)監修『西三河今昔写真集』(樹林舎9,800円)である。その名のとおり豊田、岡崎、安城刈谷など西三河の街の今昔写真が380点ほど掲載されている。実は行き付けの書店でも勧められたが、情報が広すぎて資料としては役に立ちそうもないので購入は見合わせていた。それをワシャ父が別の書店に義理があって購入していたのだが、何せサイズがB4版と意味なくでかいので、ワシャ父の書棚には納まりきらず「お前にやる」ということにあいなったのである。
 じっくりと眺めてみたが、書店でパラパラと見せてもらったときの印象は正しかった。ノスタルジーに浸るなら少しは役に立つだろうが、資料的な価値はあまり高くない。例えば安城市関連の古写真は全160ページ(表紙裏表紙含む)中14葉しかない。知立市も14葉である。盛りこまなくてはいけない市町が多すぎて総花的な印象は拭えないのじゃ。またそれぞれの写真がけっこう地元では有名な写真ばかりで目新しさに欠ける。ワシャの手元に、安城市歴史博物館発行の『アンジョハンジョ安城展』という22ページのパンフレットがある。販売価格はわずか100円で博物館の売店で売っていた。このペラペラのパンフレットには合計67枚の写真が掲載されており、その内の38枚が古写真である。値段は98分の1でしかないが資料的価値は今回の意味なくでかい本よりはるかに高い。
 まぁ重さが2.2キロもあるんで鉄アレイの代わりに使うというなら止めないけれど、それにしても使いずらいですぞ。図書館の大きなテーブルに広げて見るのに適しているこけおどし的一冊である。