新潟中越の災害現地から その2

 仲間が従事した「料理屋の障子張り」仕事は、どう推し量っても災害対策として喫緊の仕事ではない。障子が破れていても人の命に別状はないのである。要するに営業するのに支障があるというだけのもので、本来、災害ボランティアがする仕事ではあるまい。それでも仲間は黙々と作業を続けたが、その作業中、料理屋の家族はケーキなんぞを召し上がってくつろいでおられたとのことで「普段はシルバー人事センターに有料で頼んでいるのだが助かるわい」とほざいておられたそうである。
 被災後、約1ヶ月ということもあって住民の皆さんも落ち着いておられるのだろう。だが、建物の72%はが全半壊したままで、町の悲惨な状況にはなんら変化はない。
 なまず大魔王は沈静化しているが冬将軍はすぐそこまでやってきているのだ。この瀬戸際で今一番求められているものは、ボランティアの行為を有効に生かすための調整能力ではないだろうか。寒空を見上げつつそんなことを思っていた。ヘーックショイ!