脆弱なり地震大国 その2

(上から読んでね)
 ところが、この映像を見ていたゲストコメンテーターがこんなことを言い放った。
「これは危険な行為だ。こんな撮影をしていてはいけない。そんなことをするよりも早く避難しなければいけない」
 おいおい、その映像を流して、銭にしているのはテレビ局だぜ。おまえはそこから出演料をもらっているんじゃないのか。それに、この撮影者の方が津波にギリギリまで迫って、恐ろしい津波の表情を撮影してくれたお蔭で、これから巨大津波に襲われる可能性の高い東海、東南海、南海地震域に住んでいる人々が、この映像を見ることによってさらに警戒を強めてもらえれば、どれほどの人命が救われるか知れない。本来はこの映像は、テレビ局が津波の最前線に出張っていって取るべき絵ではないのか。東京のテレビ局の奥で机上でものを言っている連中は、この勇気ある撮影者に感謝こそすれ誹謗する余地などこれっぽっちもないと思うがいかがかな。

 最後におまけで安藤優子のバカ発言をもう一つ。
 高台から津波を見守っている数人の住民たちの姿をテレビカメラが捉えていた。安全なところではテレビ局は頑張っているのね。
 その高台の下の町が津波に呑みこまれていく。思いのほか大きな津波が迫ってきた。それでも崖のずいぶん下の方なのでそれほどあわてることはない。
 ところが見物人の中の一人の老人が、何を思ったか、あわてて逃げようとして転倒した。他の人たちは「なにやっているの?」といった様子で、その老人を助け起こす。この映像を見て安藤さん、
「自分の町が津波に呑みこまれてしまうショックのあまりでしょうか」
 と言う。
 おいおい、どうみたってそこつものの年寄りがあわてて転んだだけじゃないか。わけのわからないコメントをつけるんじゃない。

 どこの災害現場へ行ってもマスコミは邪魔者だった。各局が飛ばすヘリコプターの音がうるさいし、救助もせずに映像ばかりとっている。それにテレビにでかい顔をさらすキャスターたちのしたり顔も被災者の感情を逆撫でする。なんでもいいから静かにしていろ。災害復旧作業の妨害をしないでくれ。おまえらへの対応で人命救助へむける労力が削がれるのだ。同じことをどの番組でもながしているのなら取材は1社だけで十分だと思う。民放はHNKから情報をもらって、そこにくだらないコメントをつけて流せば事足りるんじゃぁないのかい。

 福島に住む知人からメールが届いた。とりあえず知人が住んでいる郡山あたりは被害もなくライフラインも大丈夫らしい。ほっとした。