対米戦争記念日

「帝国陸海軍は今8日未明、西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり」
 昭和16年12月8日午前6時のラジオは、大本営の発表をこう伝えた。そして午後1時の第2報が入る。
「帝国海軍はハワイの米艦隊に対し決死的大空襲を敢行せり」
 もちろん大多数の国民がこの報道に沸きたった。ラジオは終日、軍歌を流し続けたという。戦局が好転しない支那戦線に沈滞していた国民の士気が一気に爆発した。議会は感謝決議をし、国民は我先にと陸、海軍に献金する。その額は1日で340万円に達した。この金額を現在の金額に直すと、68億円相当になるだろう。
 何やかやと言っても、太平洋戦争は国民が後押しをした戦争だったということである。
 対するアメリカも、この真珠湾攻撃を利用して国民の戦争への士気を高めることに成功した。
「黄色いならず者をやっつけろ」
「リメンバー・パールハーバー
 この日を境にして、日米の国民が臨戦態勢に入った。是非はともかく、この日から泥沼の太平洋戦争が始まる。