日曜日はくれど、準備はまだまだ

 昨日は日曜日だというのに会社に出勤していた。午前中は打ち合わせでほぼつぶれ、午後は岡崎市に行って、小唄の会に顔を出す。小唄の会といっても300席の会場で多いときは8割がた埋まっていた。そこで、大向こうを務めたのだった。
「まってました」
「たっぷり」
「山城屋」
「吉野屋」
寿がきや
「ぽっぽや」
「日本一」
「ご両人」
 などなど声を掛けましたがな。やっぱり歌舞伎座で鍛えておいてよかった。

 幕がスーッと揚がる。舞台がぱっと明るくなる。
「まってました」
 翁が面を上げて、媼がつま弾く三味線で義太夫を唸りだす。翁の義太夫、これが玄人はだし。おっと、この義太夫近松門左衛門の「冥途の飛脚」ではあ〜りませんか。これはこの声を掛けるしかない。セリフが極まったその時に「山城屋!」……絶妙でしたぞ。

 おかげで会の主催者からご祝儀が出ました。めでたしめでたし。クレドクレド

 それはよかったんだけれど、12月6日、つまり本日やる講演の原稿がまだ仕上がっていない。仕上げる時間がなかったのだが、まぁなんとかなるだろうという安易な気持ちもあったことは確かだ。だって、昨日の大向こうはご祝儀があったけれど、今日の講演は只働きなんだもん。気合が入らないというか……。
 でも、9割がたはきっちり詰めてあるんですよ。一応、たくさんの受講者の皆さんの前で恥はかきたくないですからね。
 今週もがんばっていきまっしょい