また呉さんが載っていましたぞ

(上から続く)
 おお、そうじゃ。今朝の朝日新聞社会面に、評論家の呉智英さんのコメントが載っておりましたぞ。記事を書いておく。
《政権発足4日目の閣僚辞任をどう受け止めたか。「亀井さんは、有権者から見ると小沢(一郎)さんと同じ『古いタイプの政治家』。内閣から去るのを多くの人は歓迎しているのでは」 評論家の呉智英(くれともふさ)さんは、亀井氏の辞任でさらに民主の支持率が上がると見る。郵政改革法案をめぐる、民主党国民新党との一連の駆け引きで「菅さんが自分のカラーを押し通した」と映るからだ。》
 菅さんの所信表明に関してはこう言っておられる。
《「第3の道」「ライフ・イノベーション」「パーソナル・サポーター」など、もっともらしい言葉だが、中身も効果もあいまい。外交・安保と憲法の整合性や、体感治安の悪化にどう対応するかなど、議論が割れても、大切な問題に踏みこんでほしい。国民の耳に痛い話を訴えてこそ首相だ。》
 呉さんのように該博な知識を備えた人のコメントを知らせることは有効なことだと思う。とくにそのコメンテーターの書籍を何冊か読んでいれば、なおのこと今を考える参考になる。
 しかし、どこの誰かもわからない街頭インタビューは百害あって一理なしだと思う。誰もがもっとらしいコメントをしているが、彼らの知的バックヤードを知る由もないから、どういう思想的背景があってそういうことを言っているのか、どういう目論みがあって強い発言をしているのかが見当もつかない。そんな発言を百言集めたところで、屁のツッパリにすらなるまい。
 メディアはもっと識者の意見を集めなければいけない。そうすれば、識者たちの考え方をその著書で知る読書家たちは、
「呉さんはそう考えるのか。だったら間違いはなさそうだな」
「佐高さんはそう思っているのか。だったら逆のほうが正しそうだな」
 と、少なくとも判断を誤るまい。