報道の偏向について その2

(上から続く)
 冒頭に登場する郷原信郎教授と宗像紀夫弁護士が以前、報道番組で対峙したことがある。宗像さんは、元検事ということもあって、小沢幹事長の件では、完全に検察庁寄りの感情論を展開した。その点、郷原さんは、法律家らしく法律上どうなのかということで宗像さんに迫った。
 宗像さんだって法律家だ。しかし彼の意見は「…と思う」「…と考えられる」「…と推測される」「…と思っているのではないか」という語尾ばっかりで、まことに歯切れの悪いものだった。
 つまり何が言いたいかというと、宗像さん一人が報道番組に出てきて意見を述べてもそれは極めて偏った意見でしかなく、反対意見を持つ郷原さんが登場して始めて公正な報道になるということが言いたい。そして対立する論者を対決させることで、真実が見えてくるのである。
 ワシャはしどろもどろの宗像さんを見ていて、ことの本質を掴んだような気がしたのだった。

 報道のウソに騙されないためにこの本を推薦しておく。
 日垣隆『秘密とウソの報道』(幻冬舎新書
 ためになりますぞ。