人生80年 その2

(上から続く)
 7月31日、迷走する自民党本部は、比例北関東ブロックからの出馬を模索していた森山真弓官房長官を、離党した渡辺喜美元行革相の刺客に擁立を決めた。
 おいおい、選りに選って81歳の老婆を刺客にすることもあるまい。それほど自民党というのは人材が払底しているのかにゃ?もっと年寄を労らなければいけない。全身筋肉で「フジヤマのトビウオ」と言われた、古橋さんでも突然の死が襲ってくる年齢である。森山さんが東大卒の才媛だということは承知している。しかし、いかに優秀であろうと80歳の大台を超えた大婆様であることは変えられない。身体も脳味噌も老いさらばえている。それでも先のない老婆が自民党の選手として選挙に立たせ、この国の将来を託さなければならないとしたら、日本国民というのは哀れだねぇ。
 そう思っていたら、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090808-00000127-jij-pol
 さすが森山さん、不出馬の表明をされた。やはりこの方は頭がいい。大阪18区の御茶ノ水博士を筆頭に後期高齢者の政治家の皆さんには、森山さんに続いてどんどんと引退をしてもらおうじゃないか。よぼよぼのジジイババアが蔓延っていることがこの国の政治を悪くしている根本原因の一つなのだから。

 冒頭のエッセイ集の中に、女優の北林谷栄さんの短い文章が収められいる。映画で共演した緒方拳さんから座右の銘を求められ、北林さんは「以紅専深」としたため、緒方さんは「尚半」と書き、それを交換したという上質なエピソードだった。その末尾がこんなふうに締めくくられている。
《そのうちには誰もなにも書けとは言わなくなるだろう。眠るはよき哉。》
 この時、北林さんは80歳である。すでに彼女は「眠る」つまり「死」をその視野の中に捉えている。80歳というのは、すでにそういう歳であるということを自覚しないで、俺がいなければ日本が立ち行かぬと思っている夜郎自大な「老害」どもはさっさと引退して欲しいものだ。