よくわからない投票

 う〜む、いつも思うのだが、「国民審査」ってなんだべや。
 総選挙があると必ずついてくる、おまけみたいな投票の「国民投票」ってなんずら。
 総務省のホームページにはこう書いてある。
最高裁判所裁判官の任命後、初めて行われる衆議院議員総選挙の際に実施されます。その後は、10年経過した後に行われる衆議院議員選挙の際にさらに審査を行い、職務に適切かどうか、国民が直接意思表示できます。》
 今回、国民審査に付される最高裁判事の経歴や判例を知っている国民がどれほどいるんだろうか。いくら総務省がやっきになって国民審査の内容をPRしたところでどれだけの国民がそれを理解し有効な判断を下せるのだろうか。残念ながらおバカなワシャには、わずか1週間で全部の判事の裁判記録に当たり、判例の傾向を掴むことは一般庶民には難しかろう。何の知識も情報もないまま「こいつは罷免可、こいつは罷免不可」などという判断はくだらないし、危険でさえある。
 事実、開票の中には「バカ!」とか「オ○ン○ン」とか「死ね!」とか書かれたものがあるという。もちろんこれらは他事記載ということで無効票になるのだが、こんなバカは少数であり国民審査の大勢に影響はない。ほとんどの善良な国民は「なんだかよく判らないから何も書かずに投票してしまいましょう」と投票用紙を投票箱に投函してしまうのである。
 現行の国民審査の投票では罷免可に×を記入するというもので、未記入で投票した場合、それは自動的に新任したということにされてしまう。実に体制サイドに都合の言い投票方法となっている。これでは罷免させたい判事が現われても投票した全有権者の半分に×を打ってもらわなければ罷免できないのである。こんな国民審査が有効だと思いますか。
 少なくとも総務省はいくら国民の関心が薄いとはいえ、報道機関(ニュースやワイドショーなどテレビを中心にして)を通じて国民審査に付される最高裁判事の経歴や判決をしっかりと周知しなければいけない。(新聞にちょろっと載せるだけではだめですぞ)そしてワシャらもそれを、目を皿のようにして凝視、熟読して投票所に出かけよう。