地方に住んでいるので、車というものが生活の足になっている。買い物にでるにも車、ビデオを借りるのにも車、コンビニだって車、どこに行くでも車がなければ夜も日も明けない。
先日は失敗した。午後5時過ぎだった。たまたま休みだったので、ビデオでも借りようかと思いたち、愛車に乗りこみ駐車場を出た。裏道から幹線道路に出ると、とたんに渋滞に巻き込まれ、まもなく車列はぴたりと動かなくなった。
それでも忍耐に忍耐を重ねること20分、片側通行の工事現場を通り過ぎて、目的のビデオショップに到着した。早々に名作ビデオ(ホントだよ)を借りて、帰りは、少し遠回りだが別のルートをとった。スムーズに車は流れている。と、思ったのも束の間、再び大渋滞に巻き込まれてしまった。やっぱり道路工事だった。昔から年度末の工事の多さというのには定評があったが、相変わらずなんだと、久しぶりに実感した。
行政というところは、会計年度独立の原則をとっているから、どうしても年度内(3月末まで)に予算消化をしなければならないらしく、あわててあっちもこっちも掘り返すということになり、そこいらじゅうの道路が大渋滞となる。余ったら余ったで、返せばいいと思うのだが、そう簡単にはいかないらしい。行政には議会というたいへん権威のある機関があって、そこでえらーい先生方(ときおり逮捕される人がいる)が議決した予算は、必ず使いきらなければならない。補正予算で返すというやり方もあるらしいが、それにも理由が必要で、予算をたくさん余らせれば、「予算の見こみが甘かった」と攻撃をしてくるから、行政としては、きっちりと使って、先生方からお誉めの言葉をいただくというかたちしたいわけだ。だから渋滞はなくならず、ドライバーのストレスはたまる一方ということになる。
工事現場で、気のきかない交通整理のおばちゃんを横目で見ながら、「当分、車での外出は避けよう」と、決意もあらたにするのであった。