北京五輪開会式(1)

 もちろん北京オリンピックの競技など見ない。けれど、開会式くらいは後学のために見ておこうと思った(笑)。腰は注射と薬でなんとか鈍痛ぐらいに治まっていてくれている。アルコールは飲めないが麦茶を用意してテレビの前に座椅子を30度の傾斜にして座った。というより横になった。

 とにかく人海戦術の開会式ですな。今までの五輪の中では演者のもっとも多い開会式ではないだろうか。
 最初はアリーナいっぱいに並んだ黄金の打楽器のアトラクションだ。無数の奏者が撥を振るう。
 ステージの中央にあった巨大な銀色の五輪マークが宙に浮かんだ。どうも、チベットの混乱以来、単色の五輪のデザインを見ると手錠のつながったのにしか見えなくなってしまった。
 56の民族の衣装を身にまとった漢民族の子どもたちが中国共産党の旗を国旗掲揚搭まで運ぶ。そこで8人の緑の制服姿の軍人に国旗を受け渡すと、軍人はつま先を蹴り上げるスタイルで一矢乱れることなく行進をして掲揚搭に到達し、旗をポールに装着する。
 スタンドの席には空席が目立つ。今から増えてくるのだろうか。
 総書記や前総書記、序列通りに着座した共産党幹部の前で共産党のシンボルである「五星紅旗」が上がっていく。一党独裁でオリンピックの開会式まで漕ぎ付けたのだから、共産党幹部の感慨はいかばかりであろうか。
 グランドに巨大な巻物が広がっていく。全長147mである。そこに筆となった人間が登場し、自らを使って白い紙に絵を描いて行くゆく。中国の水墨画の世界なのだそうだ。その絵の色が突然変わった。「五星紅旗」朱か、あるいは血塗られた人民の歴史の象徴か。その朱が宙に舞っていく。
 孔子の弟子を模した3000人の男が竹菅で拍子を取りながら登場してくる。口々に論語を唱えながらのパフォーマンスだ。
 活版印刷の発明をアピールするマスゲームでは、「和」を何度も何度も造って見せた。これだけ出すと逆効果になりまっせ。ワシャはてっきりミツワ石鹸の宣伝かと思いましたぞ。(明日につづく)

 開会式の話は書きますが競技の話は書けません。暇がないのでテレビを見ないからです。