「X」を眺めていたら本の紹介があった。アントワーヌ・リルティ『セレブの誕生』(名古屋大学出版会)である。副題に《「著名人」の出現と近代社会》とあり、近現代史好きなワルシャワとしては興味が湧いた。
でね、ネット注文をしようと思って「e∸hon」を開いて検索をする。あったあった、2019年の出版か。ページ数は400ページ、まぁ普通より少しボリュームがある程度ですな。注文ボタンを押そうと思った瞬間に「え?」と指が止まった。価格が5,940円である。
う~む、3,000円程度までなら速攻で購入だが、6,000円となると中身も知らずに衝動買いはできない。ワルシャワはセレブじゃないんでね(笑)。
価格の下に「商品内容」があり、そこの「要旨」にこう書かれていた。
《称賛と批判につつまれた「セレブ」とは、現代のメディアが作り上げた虚像なのか、それとも新たな威光の形なのか。王族・政治家から作家・俳優・音楽家まで、近代の始まりとともに生まれた「セレブリティ」の展開をたどり、公共圏が孕むパラドックスを問う。》
なるほど、おもしろそうだ。だが大枚6千円を払うにはもう少し情報が欲しい。そこでワシャははたと気がついた。「ネットの『日本の古本屋』で検索してみるべえ」と。
ありましたありました。4,400円、5,000円、5,200円と3冊が並んでいる。これに税金がかかってさらに送料もということになると新品とさして違わない勘定になる。もう少し安くないとねぇ。
さらにそこで閃いた。
「図書館だ!」
だが予算の少ない図書館では、この手の高額でマニアックな本はなかなか購入しない。でも、うちの近所の図書館は昔の館長が先見の明があったんでしょうな(笑)。あるチャンスを逃さず予算の倍増を図った。これが功を奏した。行政というのは一旦予算化をすると余程のことがない限り予算を減らすというようなことはできない。むろんその館長はそこまで読んで予算を増やしたんですね。
だからもしかしたら所蔵しているかもと電話をしたら、司書さんは「ありますよ」と言ってくれた。ワシャは涙が出た(笑)。もちろん早速予約をして、昨日の午後に受け取りに行きましたがな。
すでに読み始めているのだが、これがなかなかおもしろい。しかし、図書館の本だから線が引けないし書き込みができないんですね。これは困った。付箋はビシビシ貼っているんだけど、本に記入ができないのは痛い。まぁ重要なところはコピーしておくけれど、さすがにそんな手間はかけられません。
この本に接して(まだ読んだと言えるレベルではないので)、「セレブ」という言葉に対しては認識を新たにした。今までは有名であり、富裕層や豪華なライフスタイルを送っている人という認識だったが、語源をたどれば「有名な人」ということで、極端な例を挙げれば、伊東市長だった学歴詐称のオバサンも超有名になったので「セレブ」の仲間入りを果たしたということ。そういった意味では前橋市長も「セレブ」だし、岐阜や愛知の下品な首長たちも「セレブ」である。
『セレブの誕生』は言う。
《著名性という枠組みにおいては、著名な人物はもはや同僚や、彼らを称賛する人々や、顧客や、近所の人ではなく、公衆と関りをもつことになる》