もう従前のような行政のトップに居坐るだけの首長では通用しなくなってきている。
《相生市長の「机叩き動画」が大炎上…投稿した3市長連合もXアカウントを削除の“火消し”》
https://news.yahoo.co.jp/articles/8b9efc1d2c772fcc777ee549c3414c0a096dba82
SNSが現在ほどに機能していない頃なら、この相生市長の存在もそれほどの話題にはならなかったろう。バンバン市長の机叩きもテレビで流れただけなら一過性の「なにかあったらしいね」くらいの話で終わった。しかしSNS時代はそうはいかない。拡散し保存され延々とバンバンが晒される。
なにしろ全国に1700も自治体があると、こんな首長は実は山ほどいる。それこそ記憶に新しいところでは、岐阜県の岐南町、愛知県の東郷町とか問題町長がいたでしょ。こんなの全国にうじゃうじゃいるんですよ。そしてこのお山の大将をささえる踏ん反り議員というのがこれまたうじょうじょいて、こいつらが地方の財政を食い物にしていると言っても過言ではない。
だってさ、首長の出してきた予算案なんてそれこそほとんどの議会で修正されることもなくすんなり通過してしまう。ということはまったく議会のチェック機能が働いていないということに他ならない(怒)。
まもなく名古屋市長選挙がある。ある候補者は「議員はボランティアでいいのではないか?」と疑問を呈している。確かに予算案をチェックもできないような議員に報酬など与える必要があるのだろうか?
以前の日記で「四十九日議員」という話をしたが、某市の長老議員で年間に49日しか登庁しなかったという大物がいる。それも一般質問では1日拘束されるが、他の委員会等では2時間程度の会議だから9日×8時間+39日×2時間=150時間/年間である。これに800万円もの報酬を与えている。時給5万3000円である。すごいね。9日を8時間勤務しているが、その中で「49日議員」は年に1回だけ1時間質問をする。9×8=72時間の内、まともに仕事をしているのは1時間だけで、残りの71時間はいねむりしているか、ぼーっとしているだけ。そうすると他の会議等でも大サービスで各10分質疑をしているとして、のこりの1時間50分はボーッとしているので、10分×39日=390分 → 6.5時間。つまり年間を7.5時間で暮らしている。
これって特殊な話ではない。ワシャの知っている議会にだって、こんなのがゴロゴロといる。ワシャの知っている議会は、それでも真面目なほうで、もっと適当な議会はそれこそ山のようにある。そこで議員たちは何をやっているかと言えば、例えば自民党系の会派なら、「岸田がどうした、石破がどうした、今度の衆院選はどうする。次の参院選はどうする」なんてことを日常的にだべっているばかり。己が自治体の予算の話なんてしたことがない。それでも登庁して議員控室まで来ている議員はまだまともなほうで、「49日議員」に代表される議会で胡坐をかいているだけの連中はほぼほぼ何もしていない。そもそも来ないんだから何をしているか見当もつきません。
厳しいことを言えば、全国1700の自治体議員は「出日当」でいいと思っている。大サービスで半日1万円でフルに49日登庁すれば98万円。ワシャの知っている議員は年間300日登庁したというから600万円ほどになるだろうか。
その程度でいいんじゃない?もちろん首長もね。
愛知県東浦町が突拍子もないことを始めるようだ。
《開庁時間及び電話受付時間の変更について》
https://www.town.aichi-higashiura.lg.jp/gyosei/gaiyo/chosha/14127.html
現在、自治体市役所では午前8時30分から午後5時15分までの開庁というのが一般的だろう。それを東浦町は午前8時45分~午後4時に変更するんだとさ。
「なんで変更するの?」という問いに対して東浦役場はこう答えている。
「これまでの業務は始業前の準備や閉庁後の片付けなどにより、職員の時間外業務を前提としたものとなっていました。開庁時間を短縮することで、職員が勤務時間を守った働き方ができるようにします。また、勤務時間内に政策立案や創造性のある仕事に取組むための時間を確保し、住民満足度の高いサービスの提供に努めていきます」
首長もおかしければ議員もおかしいと思っていたら、職員まで阿呆になっている。テレビではこれを滔々と人事課長とおぼしき職員が語っていたけれど、まったく論外の話と言っていい。
ワシャが凸凹商事の社員だった時は、始業は午前8時半、ワシャは始業の5分前に着席して、5分で仕事の準備を終える。そりゃそうでしょ、ルーティン業務なら毎日やっていることだから、すべての業務関連のものは、あるべきところにある。実は5分もかからない。午後5時15分、終業とともに机の引き出しを閉めるだけ。「お疲れ様でした~」で、午後5時半には居酒屋のカウンターでビールを飲んでいましたぞ。
役場の開庁時間を職員の働き方のために時短する・・・意味が解らない。
それで、開庁時間を短縮した分で、「政策立案や創造性のある仕事に取り組むための時間を確保する」って?これをホームページに書いた職員は、まったく創造的な仕事をやったことがないんだろうね。
「はい!開庁前の15分で創造的な仕事をしましょう」
「はい!午後4時からは政策立案に取り組みましょう」
って、やれるわけがなかろう(怒)。
役場といいうところは、日々ルーティンの仕事もあり、外に出て交渉にあたる部署もある。さらに政策や将来計画を考える仕事もあって、それらが複雑に連携真ながら一個の自治体を形成している。
「開庁時間を短縮したので、その分で政策立案をしましょうね」は絶対に出来ない。政策を考える、将来計画を考える、これはある意味で四六時中考え続けなければいいものは出てこない。すっぱりと「この時間までは窓口業務、ここから1時間は総合計画について頭を使おう」なんてできるわけなかろう。これって窓口業務をやったことのない人間が考えているね(笑)。