令和米騒動

 2日前に「ヨレヨレヨーダ」と出して日記を書いた。本当は「ヨボヨボヨーダ」にしようと思ったんだけど、それではあまりにもストレート過ぎると思ったので「ヨレヨレ」で我慢した。

 その日記の後半で、衆議院議員を2期務めた経済学者の栗本慎一郎氏が、1999年に上梓した『自民党の研究』という本について触れた。その中のフレーズを紹介しながら、今日の話題に入っていきたいと思う。

 栗本氏、四半世紀も前に、自民党のことを喝破(かっぱ)していた。こう言っている。

《いくら自民党が政策を問うて集まった集団ではないとはいえ、長年の間に、およその主流傾向とそれに対抗する反主流傾向とが、かなり明らかになってきているからだ。》

 おいおい、すでにこの時点で自民党政策集団ではないと言っている。もちろんワシャも多くの自民党議員に触れてきて、見てきて栗本氏の発言には賛同するものであるが、それってそもそも自民党がダメじゃんという噺で落語にもならない。続ける。

《農村に対しては農村社会主義的な保護政策や補助政策をとり、産業に対しても官僚の裁量による支配を認める》

 ここが今日のニュースにつながる。

《備蓄米はあるけれど 91万トン眠るけれど、放出しない国「凶作ではない」》

https://www.asahi.com/articles/DA3S16023626.html

 ネットでドケチ朝日は冒頭の146文字だけ読ませてくれ、残りの1297文字が読みたければ金を出せという。ワシャは高い銭を払って広告ばかりの朝日新聞紙を購読しているのだ。そのまじめな朝日新聞読者にも、「ネットは別だもんね」と言い腐る。

 いかんいかん、話が脇道に逸れていく。ニュースに戻ろう。要するに記事冒頭のこれに尽きる。

《米不足が叫ばれるなか、注目を集めているのが「政府備蓄米」だ。100万トン近くに上る米の一部でも出回れば品薄も解消されるのでは、と期待の声もあるが、国は消極的な姿勢を崩さない。》

 正確には91万トンらしいが、それでもこれを市場に出せば、国民1人当たり7.5キロが行き渡る。いいかい、ワシャの家は10キロ袋の米を買ってくると1か月はもつ。ワシャがあまり米を食わないせいもあるけどね。それでも家族4人として7.5×4=30キロは要らない。おそらく政府備蓄米の半分も出せば潤沢に米は市場に回るだろうし、そもそも「出す」と政府が言えば、愚民の米騒動は終わる。

 今、スーパーの米のコーナーは空っぽだ。その隣の餅のコーナーには餅の袋詰めが積んである。だったら米を食わずにもち米を食っておけばいいだけのこと。

 さらに、「スーパーにはないがドラッグストアで食料品を扱っているところにはまだ米がある」というような情報がSNS上に出ているが、これに釣られてドラッグストアに走る阿呆がいるんでしょうね。

 平成5年に「平成の米騒動」という珍事が起きた。これは、前々年に爆発したフィリピンのピナツボ火山の影響で米が不作となった影響である。このときも愚かな人々は大騒ぎをした。スーパーから米は消え失せ、それでも米を買い求めようとする阿呆が店頭で騒ぎを起こしたりした。

 この時、ワルシャワ家にも米はなくなった。だが、ワシャはむやみに買いに走らず、親しくしていた同僚の百姓の倅に「米を融通してくれ」と頼んだ。しかし回りくどく断られた。それならばと腹をくくった。

 ワシャはそもそも晩酌をするので米を食わない。酒の肴があればいい。家族には、パンでもうどんでも蕎麦でもラーメンでも「好きなものを食っていい」というと、かえって喜ばれたくらいだ。災害備蓄用のパックライスもあったし、切り餅の在庫もあった。食うものに困るようなことはなかった。

 それでも米を求める声は大きく、さらにそれを利用するべく業者の買い占めなども横行した。ついには、国際的な米相場の上昇まで招いている。

 いいですか、日本国内に食うものがなかったわけじゃないんです。食うものは余っていた。たまたま米が不足しているというだけで、あの大騒ぎになった。

 その混乱の仲、農林水産省や食糧庁の役人が、職務上知りえた情報を利用し、自分たちだけは国産米を食べようと、裏工作していたことも明るみに出された。そんな不様なこともあったなぁ(遠い目)。

 話がかなり逸れたが、栗本氏の指摘する「農村に対しては農村社会主義的な保護政策や補助政策、産業に対しても官僚の裁量による支配」を相変らずやっているということに尽きる。

 朝師新聞紙で、「国の流通業者への働きかけが遅すぎる。主食米ではなく飼料米を作れという国の方針にも問題があったのでは」という米農家の発言が出ていたが、まさに農村社会主義、官僚裁量支配の失敗である。

 つまりだ、言いたいことは、政府はさっさと「政府備蓄米」を半分も出せばいい。さらに「出す」という意思を示すだけでも、国民は安堵し落ち着く。なんでそんな簡単なことができない?ホント、最後まで岸田政権はお粗末だった。