昨日発売の「週刊現代」が「相続」についての特集を打っていた。「相続」ついてなんの基礎知識もないので、「ちょっと読んでみるか」と駅前の本屋さんに立ち寄った。
とは言ってもね、雑誌1冊だけ購入というわけにはいかないんですよ。一応、その書店では常連だし・・・。取り合えず、「文藝春秋」を手に取る。目次を見てみると、パッとしたネタはあまりなさそうだ。それでも塩野七生さんの《『竜馬がゆく』を読んで》という司馬遼太郎ネタがあったし、有働由美子対談が夏井いつきさんだったので、それなら買っておくことにする。
新刊コーナーに移り、数学者の藤原正彦さんの『美しい日本の言霊(ことだま)』(PHP新書)サブタイトルに「歌謡曲から情緒が見える」とある。面白そうじゃん。といいうことで新書をパラパラとめくっていると、巽聖歌の「たきび」が取り上げられている。ほほう、先日の読書会で『ごんぎつねの夢』を課題図書にして、その時に巽聖歌のことも話題にのぼっていた。もしかしたら巽関連で、新美南吉についても書かれているかも・・・という淡い期待を抱いてこれも購入。
帰宅して早速読みましたぞ。
残念ながら、巽聖歌の章に新美南吉の記述はなかった。ただ、別章で「22才の別れ」、「なごり雪」、「ふれあい」、「学生街の喫茶店」などが取り上げられていて、けっこう懐かしかったなぁ。その他の歌謡曲についても藤原さんご自身の思い出を交えながらの解説。日本の「詩歌」にひそむ「言霊」のすばらしさ、怖さを再認識した。
藤原さんの新書を読んでいて思い出した。「文藝春秋」の巻頭言が藤原さんであったことを。それで早速「文藝春秋」を開きましたぞ。
今回の題は「正義を振りかざす」である。相変らず鋭いことを言っておられる。歌謡曲の詩について語っている新書とは語気が違う。
《社会で生きている限り、自由はことごとく制限されている。自分の自由と他人の自由がぶつかりからだ。》
円滑に社会生活を送るために、法律、道徳、倫理、慣習、公序良俗などがあって、自由が制限されることも仕方がないと言われる。しかし、「絶対になくてはならないものもある」と言われる。藤原さんの言を引く。
《絶対になくてはならない社会的自由は、「権力や権威を批判する自由」くらいかもしれない。私がロシアや中国をまったく信用しないのは羞恥心とこの自由がないからである。》
けだし名言なり。