しっかりしろよ、朝日新聞紙

天声人語」の担当が10月1日から代わった。初の女性コラムニストと2人の男性が担当するという。

 だからといって然したる期待はしていないけれども、今日あたりの各社の1面コラムを見ると、朝日の反射神経の鈍さを感じざるを得ない。

 中日新聞は今日の「中日春秋」は、円楽さんネタを持ってきている。出来はともあれ反応は早い。産経新聞も本日付の「産経抄」で円楽さんを取り上げている。

 六代目三遊亭円楽師匠が身罷ったのは9月30日、訃報が流れたのが日が替わって1日の早朝である。そこからどんだけ時間があったと思ってんの?パスタの話やアンネ・フランクに絡めてノーベル賞の話をしている場合か!

 そもそもコラムが呆けているんだよ。タイムリーでコンパクトで、寸鉄人を刺す、あるいは読者をうならせるほどの着眼点、構成力が必要だ。「天声人語」の先達たちはそういった名人が多くいたが、どうも世紀末から能力不足の似非コラムニストが増殖しているようだ。

 そのことについては、作家の日垣隆さんや、今は亡きコラムニストの勝谷誠彦さんが口を極めて罵っていたのを思い出す。思想性を排除すると薄甘い中学生の日記みたくなってしまうのではオピニオン紙(笑)の1面を飾るには如何なものか。

 

 今朝の産経新聞である。1面トップは《露、非難決議に拒否権》。少なくともこの件をトップで扱っている新聞はほかに見当たらない。朝日新聞紙は、「温暖化なので霧を作って地面を冷やしましょう」が1面だ。お前は霧隠れ才蔵か?その下にアンネ・フランクだからね。危機感がないにも程がある。しかし、これってとても重要なことだと思っている。

 ロシヤが安全保障理事会の「露軍の即刻撤退」の決議を拒否した。当たり前と言えば当たり前なんだけど、そもそもこれを「一発否決」できる仕組みが狂っている。国連という画餅の限界がそろそろ露呈してきているわけだ。

 この1面記事に連動して「社説」は《世界秩序の破壊を止めよ》という題で、《ロシアを明確に懲罰できなければ、国際秩序は崩壊し、世界は混沌を極める。中国をはじめ武力を奉じる国々が、平然と侵略行為を働くことになるだろう。これを許さないために今、全力を尽くさなくてはならない。》と主張する。

 また別の面ではウクライナ情勢を一面使って報じている。

《東部要衝 露か撤退 ドネツク州リマン 併合宣言の直後》

《米、対露追加制裁を発表》

NATO「最も深刻な事態」》

 これらの報道から比べると、朝日の薄甘さは如何ばかりであろうか。

 

 唐突だが、ロシヤが戦術核にしても、戦場で使用した時にロシヤの崩壊は確実になるだろう。さすがの支那も、この時代に核を脅しではなく実戦で使ったとなれば見過ごすことはできない。自国がいずれ核を使うハードルが下がることに繋がっても、さすがに現時点での容認はできまい。

 つまり核兵器の使用はロシヤを更なる孤立化を招き、そうなれば経済力のないロシヤは崩壊する。

 それをプーが理解しているのかしてないのか。国際情勢、とくにロシヤ情勢に詳しい識者たちは、口をそろえて、「核使用の判断は一重にプーチンが握っている」と言う。

 とすれば、核使用についてはプーの個人的な想いで左右されるわけで、まったく予断が許されないということである。

 そのくらいの危機感をもって紙面構成をしろよ、朝日新聞紙。