新たなる欺瞞

 笑える。昨日の中日新聞である。「話題の発掘 ニュースの追跡」というページがあって、《知られざる産業「慰安所」》と大見出しが目に飛び込んだ。その他にも、

《戦時中の日本朝鮮人女性が性的犠牲に》

朝鮮人労働者が相手、57カ所確認》

《「人権侵害明らかに」》

と、インパクトのある見出しが並べてある。

 なんだかツッコミどころ満載の記事だったので楽しく読ませてもらった。要点を列挙しながらツッコミますね(笑)。

《日本で労働動員された朝鮮人労働者を対象として慰安所朝鮮人女性たちに光を当てようと》調査したんですと。

 つまり、例の「従軍慰安婦」とは違って、朝鮮人のための朝鮮人慰安婦ということですね。これについて、調査した連中はこう言って憚らない。

《植民地支配を進めた日本の国策として、性の搾取が行われた。女性たちの犠牲の上に成り立つ制度だった》

 まず基本的なことを指摘しておこう。時代は「今」ではないのである。公娼制度というものが認知されていた時代の話なのである。朝鮮人女衒が、朝鮮人労働者のために、朝鮮人売春婦を用意する、それが正業として成り立っていた時代の話だということを忘れてはいけない。

 記事は言う。

《「特別慰安所は其の地方の実情に応じ事業主に於て・・・適宜処理すること」。一九四二年二月の厚生省、内務省連盟の要綱にこうある。》

 そりゃありますわな。それだけしっかりと行政が「売春婦」を管理していたということ。それは梅毒とか淋病のような「性病」を防止するためのもので、朝鮮人労働者や朝鮮人売春婦を守ろうとしたものであった。しかし、記事はこう畳み掛ける。

《・・・要綱にこうある。動員した朝鮮人労働者の取り扱いや訓練を定めるもので、すなわち「移入朝鮮人」のための慰安所を設けよ、という意味だ。》

 あんまり意味が解んないんですけど(笑)。1942年の要綱(紙面に載っているもの)で判断すれば、「売春宿はそれぞれの事業者が要綱に沿って(衛生的な環境を保持しつつ)適宜処理しなさい」ということを言っているのであって、「売春宿を作れ」と命令しているのもではない。戦前とは言え、厚生省も内務省もお役所ですからね。記事は、別の文書なるものを引いて、さらにこう言い続ける。

《「わかり易く言えば性解決所である。半島女子がいれば好都合。国語の十分できないものは気分が出ない」と記す。》

 わかり易く言わなくても売春宿である。さらに日本語の話せない朝鮮人に、日本人売春婦とコミュニケーションは図れない。需要と供給なのである。需要者の若い朝鮮人労働者が言葉の通じる朝鮮人売春婦を求め、それに対して朝鮮人女衒が朝鮮人女子を朝鮮の山野から買ったのか騙したのかは知りませんが、狩り出してきて供給したということで、「人権侵害明らかに」って、人権侵害したのは、朝鮮人売春婦で儲けた朝鮮人女衒でしょうが。そしてその供給ルートの中に日本人もいただろう。そういった人々も含めて、その頃は社会的に容認されていたことであるから、後世の我々の道徳でとやかく言っても詮方ないのである。

 研究者の在日朝鮮人はこう憤る。

朝鮮人には朝鮮の女を相手させるべきだ、という『性の防波堤』の役割、そして大和民族の純潔にこだわる優生思想が、背景にあるのではないか」

 違うって(笑)。

 単に、淋しい若者たちは言葉の通じる相手が嬉しいのである。『性の防波堤』というけれど、優生思想なんていうものではなくて、溜りに溜まった若造たちが一般の婦女子を襲わないように、性のはけ口として「慰安所」なるものを設置したということで、「人権侵害」という現在の価値判断を歴史に持ち込むのは如何なものか?

 この研究者と称する連中は、日本のあちこちにあった朝鮮人売春宿を「産業慰安所」と命名している。出たー!得意の言い換え攻撃だ。「応募工」を「徴用工」と言い換えるようなもので、これが朝鮮半島が日本に仕掛けている「ハイブリッド戦争」の一環だということを日本人は忘れてはいけない。中日新聞もこのハイブリッド戦の敵方に加わっているということですね。とはいえ記事は支離滅裂で、そこいらじゅうにツッコミどころが満載なので、これじゃあまともな日本人は騙されませんぜ(笑)。

 この連中の言う「産業慰安所」が全国に57カ所あったというが、それは朝鮮人地区にあった朝鮮料理店であったりするわけで、日本人のそんなものはそれこそ全国に五万とあった。

《戦時中に日本朝鮮人女性が性的犠牲に》

 と、センターに白抜き文字でおどろおどろしく見出しが躍るが、この事例として1932年の北海道の地方新聞にある「朝鮮酌婦二人で抱合ひ心中か 立待岬突端で発見」という記事を持ち出してくる。確かにそういった悲劇もあったろう。しかし、そんな悲劇は朝鮮人ばかりではなく日本人の女たちにもいくらでもあった話である。そして、1932年って、まだ「戦時中」ではないですよ。一つの記事の中で印象操作をするのは止めなさい。

 でもね(笑)、図らずもってことかも知れないけれど、記事中にこんな記載もある。

《別の新聞は、夕張炭鉱の産業「慰安所」を「郷愁忘れのサービス嬉し 美しい妓生部隊」とし、一角が明るくなったと記した。別の炭鉱では慰安婦を一回抱くのに六円、働きの良い者には割引券が出た、とする朝鮮人労働者の証言も残る。》

 ということなんですね。街が明るくなる場所だったんですよ。そして「割引券」って、まったく商業として成り立っていたということに他ならない。

 さらに言えば、1回射精するのに6円かかるんですぞ。当時の日本陸軍兵卒(一等兵二等兵)の月給(昭和9年)が5円50銭なんですよ。おそらく朝鮮人労働者のほうが俸給的には多かったでしょうが、これを手に握りしめて売春宿に走っていった日本人や朝鮮人の若者たち、健気じゃないですか。

 そして軍人相手にしても、労働者相手にしても、その当時の売春婦たちがその稼ぎをもって故郷で家を建てたという話もある。もちろん悲劇もあっただろうが、必ずしもこの研究者と称する連中が喧伝することが全てではない。ぜひともこれも「ハイブリッド戦」の一種であることを認識しておきたいものである。