大相撲初場所6日目

 昨日の初場所は見ごたえがあった。といっても仕事を終えて自宅に帰ったのが5時半ごろだったので、間に合ったのは最後の6番でしたがね。

 でも、その6番がよかった。ワシャのご贔屓の宇良が霧馬山との対戦で、宇良はここまで上位陣に当てられて、1勝3敗と苦しい星だ。相手の霧馬山も宇良同様に三役ばかりに当てられて、ここまで不戦勝の1勝しか上げていないけれど、なかなかの相撲巧者で油断の出来ない相手。しかし、ここは宇良が上手く取って、霧馬山の背中にくっついて送りだしを決めた。見ていてとてもユーモラスな取り組みとなった。こういったところも宇良ならではであり、この力士には怪我をせずに幕内上位で長く相撲を取ってもらいたい。

 つづく若隆景-明生もいい一番だった。28歳と27歳の若武者の勝負で、ワシャ的には若隆景を応援しているのだが、これも1勝4敗と振るわなかった若隆景が押し出しで明生を破って2連勝をした。

 その次が全勝の御嶽海と遠藤である。ここは優勝争いを楽しくするためにも御嶽海に全勝を守ってもらいたいところ。遠藤も贔屓なんだけど、辛抱して北設顔の御嶽海を応援する。おおお、御嶽海、怒涛の電車道であっという間に遠藤を土俵の外へ押し出してしまった。

 そしてなにより打ち止めの一番、横綱照ノ富士と平幕玉鷲である。どう見ても盤石の横綱、そして玉鷲は、奇策を弄さず真面目な相撲をとる幕内最年長の37歳、これはモンゴルの後輩の照ノ富士が圧倒的に有利な一戦だった。

 ところが玉鷲、右はず、左のどわで照ノ富士を土俵際まで追い込んだ。とはいえ横綱、まったく動じずここから反転攻勢をかけてくる・・・と思いきや足を滑らせた。ところがどっこい横綱、再度体勢を立て直し・・・となるはずなのだが、玉鷲、そこを見逃さず突き落として、横綱は両の手を土俵に付けてしまった。

 両国国技館は地鳴りのような喝采が起った。絶好調の横綱に土がついたのだ。もちろんワシャんちのテレビ桟敷でもオッサンが絶叫していた。

 これで初場所がおもしろくなる。ワシャは白鵬の時からそう思っているのだが、最強の横綱の存在は、短期的には相撲の興隆に寄与するけれども、あまりにも一強が続くと、大相撲自体がおもしろくなくなる。いろいろな顔ぶれが戦って、個性豊かな多くの力士にスポットが当たるのがいいと思っているからね。

 最終的に照ノ富士が優勝してもいいい。しかし、下位の力士にハンディを与えるためにも前半で1敗くらいしておきなさいよ。その方が可愛げがあるというもの。これで御嶽海、阿炎が全勝で突き進み、それを1敗で好調の横綱とベテランの玉鷲が追う、いい展開ではありませんか。

 さあ今日もさっさと仕事を済ませて、ルービー片手にテレビ桟敷の前に座ろうっと。

 大相撲ファンの中では、かなり前から「溜席の妖精」というあだ名の女性が話題になっている。詳しくはここね。

https://www.ggg-channel.com/sumo-mysterymadom

 ワシャ的には、溜席に女性が来ようが、芸者衆が座ろうが、高須先生がおられようが、相撲が大事なので、あまり興味がない。しかし、九州場所も含めてずっと溜席のどこかに座っているので、やはり目についてしまう。

 この女性、とても姿勢がいいのである。すっと背筋を伸ばして土俵に正対して正座をしたまま動かず、取り組みの最中でも、行司が視界をさえぎる時に、若干頭が動く程度で、大きな動作をすることがない。入場してきた時を見たことがあるのだが、溜席につくと手荷物やコートを脇にきっちりとまとめ、お尻に小ぶりの正座椅子を当てて、その後、スカートの裾をきちんと直す。そして背筋を伸ばすともうこれで不動の状態となる。

 これほど躾のいいお嬢さんを見たことがない。ワシャが溜席に座っていれば、だらしなくあぐらを崩し、猫背で、体を右へ左へ動かして、ときにはケツをポリポリ掻いたりするだろう。だからこういったお育ちのよいお嬢様には一目も二目を置きたい。こういった階級の方が、健全な社会には必ず一定数はいなければダメだ。

 そういった意味では、伝統の相撲の場で、公家か武家の娘のようなお嬢さんを拝見するのもとてもいいことだと思う。「ああ、日本人でよかった」と一入感じさせてくれるのである。

 そういった意味からも、今場所の大相撲からは目が離せなくなった。めでたしめでたし。