書庫にあった

 橋田壽賀子さんがお亡くなりになられた。

《脚本家・橋田壽賀子さん(95)死去》

https://news.yahoo.co.jp/articles/dc1ae17667fa9064f75487ad470e3ceb69234438

 ワシャは小学校の頃から映画が好きで、中学生の時は勉強そっちのけで映画館通いをしていた。だから1200人のマンモス校の中で、教員も含めてもっとも映画に詳しかった。それが高じて、高校時代に文化祭に上映する映画を作った。大学の頃にも、何人かの友達とチームをつくって映画製作をしている。社会人になってからも仕事で何本かの映像を手がけてきた。その都度、かなり細かいディテールまで拘ったので、同僚には「なんだこいつ、小津安二郎か?」と思われたものである(笑)。

 昨年、凸凹商事でPR動画を見せられた。他の役員は何も言わなかったが、ワシャはボコボコに批評をした。まったくなっていない映像だったからね。

 そんなことはどうでもいい。そんな映画小僧だったから、高校時代から脚本を書いていた。本格的に脚本の勉強をしたのは、30を過ぎてからだったが、そのころに橋田さんの作品も何冊か読み込んでいる。写真の『おしん』もそう。素晴らしい脚本でした。

 書庫を探したら、『おしん』(日本放送出版協会)の他に、『渡る世間は鬼ばかり』(音羽出版)や『おしんの遺言』(小学館)が出てきた。過去の「文藝春秋」に橋田さんの安楽死に関する手記があったと思ったが、さすがにそれまで朝の短い時間の中では探せない。

 本を手にリビングをうろうろしていたら、ちょうどNHKのBSプレミアムで昔の連続テレビ小説『あくり』がやっていたんですね。たまたま野村萬斎が出ていて「エイスケさん」とか呼ばれているシーンに出くわした。

「あれ、今、『おしん』を探している時に『エイスケ』というタイトルを見たぞ」

 と、あわてて書庫に引っ返すと、写真の右下に写っている『吉行エイスケ作品集』(分園社)があったのだった。

 ワシャの書庫にはなんでも揃っているのだった(エヘン)。

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