バカーボンゼロ

 もう5日も前のことだから旧聞に属するが、31日の日経新聞1面トップに《緑の世界と黒い日本》というおどろおどろしい見出しが躍った。「なんのこっちゃ?」と思って中身を読めば、「ああ、経済界よりのバカ新聞が、大衆にカーボンゼロのバカ踊りを誘導しているのだな」ということが解かった。

 いまさら「バカーボンゼロ」の話は繰り返さないけれど、記事中で笑えるのが「世界の最安電源は再生エネに移行しつつある」と題した世界地図である。支那アメリカ、ヨーロッパなどは緑色に塗られ、日本は黒く塗りつぶされた地図だ。なにを意味しているかというと、1世帯当たりが4カ月間に使う1000kWの電気をつくるのに使う金額が、太陽光の支那33ドル、風力のアメリ36ドル、風力の英国42ドルに比べて、日本は太陽光124ドル、風力113ドルと突出して高い。

 まぁ日経新聞の説明が不十分なので何を言いたいのかよく判らないが、ようするに再生可能エネルギーを導入して、電化を加速しろ、それで経済界に金を落とせと言っている。

 とくに風力に力を注げと訴えているけれど、おいおい、台風銀座と言われる日本列島で英国やアメリカの内陸のような穏やかな風が常に吹くとでも思っているのか?洋上に巨額の費用をかけて風力発電を建てるのは結構だが、日経新聞は、「オランダのロッテルダムで回る風力タービンは東京都庁を上回る高さで、羽は東京ドームの本塁から外野ポールに届く」と威張っているけど、そんなもの伊勢湾台風が1つ来るだけで、ボロボロになりまっせ。日本列島に設置すれば、全機とは言わないが、そこいらじゅうでブチ壊れるものがあるでしょうし、当然のことながら修繕、メンテナンスは確実にしなければならない。海の上でね(笑)。

 そもそもだ、支那が太陽光で安い電気をつくっていると豪語するが、それが何世帯の電気として供給できるんだ!大半は、冬場に石炭を燃やして暖を取っているから、日本にPM2.5が降り注いでいるんだ。その点、日本の火力発電の効率はきわめて高く、CO2の排出だって、支那など足元にも及ばない。しかし、そんなことは棚に上げて、安い電源1世帯当たりという妙ちくりんなものを取り出してきて「日本は真っ黒、中国様は緑色でっせ」と言って憚らない。

 バカ~ボンのパパよりもバカなのだ。