本のゆくえ

 明日、読書会がある。課題図書は、山本七平論語の読み方』(祥伝社)。前回が、やはり山本七平の『人望の研究』(祥伝社)だったので、このところ「山本七平」が流行っている。それはメンバーのパセリ君が推薦しているからで、まぁ山本七平なら外れがない、だから、ワシャも積極的に推したんですけどね。

山本七平」は好んで読んだ著者の一人で、福田恒存曽野綾子の並びに、十数冊の本が並んでいる。

『空気の研究』

『常識の研究』

『「あたりまえ」の研究』

山本七平武田信玄論』

日本人とユダヤ人

『私の中の日本軍』

 などなど。

 

 実は前回の課題図書『人望の研究』の入手に際して、ちょっとしたすったもんだがあった。どうしても『人望の研究』を入手する気が起きないのだ。なぜだかわからない。少なくとも山本七平の棚にはないから、速攻で買うべきなのだが、ワシャの中のなにかが「買うな」と呟く。

「それなら、図書館で借りよう」ということで、図書館で借りて読書会に臨んだ。読んでみれば、まことにいい本で、本は付箋だらけになった。これだけ付箋が貼られると、もう重要な資料である。だから、やはり購入して、付箋を移すべきなのだが、やはり「買うな」という心の声が響いてくる。

「蔵書にあるのか?」と2度ばかり探したのだが『人望の研究』はなかった。

 そして次の『論語の読み方』である。これも心の声は「買うな」だったが、もう心の声ばかりに左右されても仕方がない。探しても見当たらなかったので、とりあえず図書館で探しても単行本はなかった。これはもう思い切って買うしかない。

 ということで、「e-hon」で、注文し、今、しこしこと読んでいるのである。

 今回の読書会のテーマ「論語」は、ワシャは、封建主義者の呉智英先生の直弟子であるからして、論語本はずらりと棚にあるのじゃ。とはいえ直弟子ではあるが、もっとも不出来な弟子なので、偉そうなことはまったく言えませんが(泣)。

 それでも今回の課題図書の中で山本七平さんが多くの引用をしている宮崎市定の『現代語訳 論語』(岩波現代新書)も棚にあるし、呉先生の『現代人の論語』(文春文庫)も揃っていますぞ。定番の、金谷治論語』(岩波文庫)は、文庫版とワイド版で持っている。文庫版は寝室、トイレ、職場にもおいてあるので、計4冊が常に手のとどくところに置いてある。

 それはさておき、ワシャの本棚はすでに許容量を超えている。だから棚には前後に2列で収納せざるをえない。ホントはそのやり方はダメでね、背表紙が見えなくなると本探しに手間がかかるので、やらないほうがいいのだけれど、なにせ狭いスペースに本が詰め込まれているので、仕方がないんですわ(トホホ)。

 でね、昨日、そろそろ課題図書の資料をまとめようと思い立ち、論語の棚の後列を確認していたら、黄色っぽい表紙の本が見えるではあ~りませんか。タイトルは『論語の読み方』?

 おひおひ~、文藝春秋の出版している「山持七平ライブラリー」第10巻が鎮座しているではあ~りませんか。

 第10巻には『論語の読み方』と『人望の研究』が収められている。そしてご丁寧に付箋まで何枚も貼ってあるではないかいな。

 十数年前に買っていたのだ(泣)。そのことをワシャの中のもう一人のワシャは覚えていたんだね。だから「買うな~」と叫び続けていたんだ。要するにワシャの収納術が失敗していたわけで、あまりにも悔しいから、恥をさらしても書いておかないと・・・と思ったわけですねん。

 悔やちー!

f:id:warusyawa:20201221120950j:plain