教養とは

 もう旧聞に属するか(笑)。川勝平太静岡県知事が、菅総理に「教養のレベルが露見した」と言ったんだとさ。

《「菅総理の教養レベルが露見した」静岡・川勝知事発言に批判の声相次ぐ 学術会議巡り》

https://news.yahoo.co.jp/articles/e213112ff74a9925fdf39104570ab5c8039cdb85

 すでに批判の嵐を受けているので、あえて蛇足をつける必要もないけれど、「教養」についてはちょいと言っておきたいこともある。

 まず、川勝知事に学歴はあっても教養はない。学歴といっても大したものではなく、早稲田大学を出てオクスフォードに留学したというだけのこと。ご本人は立派な学歴だとは思っておられるのでしょう。でもね、早稲田大学なんて大したところではない。ワシャの周りにも早稲田大学卒は数多いる。みんないいヤツばかりだけれど、教養のレベルでいうと、突出した呉智英さん(法学部)は別格として、あとはワシャとさしたる差はない。

 川勝知事、たかが早稲田程度で、そして左翼の拠点のオクスフォードに留学したくらいで、教養人ぶるんじゃない。菅首相の教養レベルを云々するなんて百年早いわい。

 東京大学からオクスフォードに留学した数学者の藤原正彦さんはこう言っている。

《身体感覚としての形を持たない教養人は、西洋を中心とした借り物の知識と論理的思考、すなわち頭の先でしか考えることのできないひ弱な存在となりました。》

 さらにこう付け加えている。

《政治の教養に欠け、形を持たない、頭でっかち》

 川勝知事が「静岡県を通るのに挨拶がないじゃないか?」と拗ねて、静岡県をかすめるだけのリニア新幹線の工事を止めてしまった。国益のことを考えるという教養さえ持ち合わせていれば、すんなりと許可をして邪魔をしないはずなのだが。こんな教養すら持たない人間に、苦労人として身体感覚の教養を持っている菅首相をあれこれ言って欲しくわないわさ。

 作家の門田隆将さんのツイートがおもしろい。

《この“リニア嫌がらせ知事”は習近平浙江省と特に親しいとWiLL。同省は2035年迄に上海-寧波をリニアで結ぶ。嫌がらせの理由が腑に落ちる。媚中派とは恐ろしい。》

あらららら、川勝知事、教養人でないどころか媚中派反日知事だったのね。それなら今までの行動も腑に落ちるのう。

 地元では「口先ちょび太」と呼ばれているらしい。ううむ、まったく教養の欠片も感じられないあだ名で呼ばれているんだね。尊敬の念がまったく感じられない。

 ライフネット生命の元CEOの出口治明さんが、著書の『人生を面白くする本物の教養』(幻冬舎新書)の中で、ココ・シャネルの言葉を引いている。

「私のような大学も出ていない年をとった無知な女でも、まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つぐらいは覚えることができる。一つ名前を知れば、世界の謎が一つ解けたことになる。その分だけ人生と世界は単純になっていく。だからこそ、人生は楽しく、生きることはずばらしい」

 そして出口さんはこう言う。

《教養とは、彼女のような生き方を指す言葉だと思います。》

 残念ながら「教養のある人」というのは、ココ・シャネルや出口さんなど、周囲から尊敬をうける人のことである。間違っても「口先ちょび太」とは言われないことだけは確かだ。

 菅首相のことをとやかく言っている前に、テメエの教養を磨け!ちょびっと遅いと思うけど。