読書会の夜

 昨日、読書会。課題図書は『死刑賛成弁護士』(文春新書)である。なにしろ著者のおひとりが参戦してくださっているんで、そりゃぁ盛り上がりますわなぁ。

 死刑の賛否、人権との兼ね合い、被害者救済の位置づけ・・・などなど白熱した議論が展開した。

 ワシャはもちろんカッチカチの死刑賛成論者なので、命は命でしか贖えないと思っている。人の命を奪ったものの人権などない。課題図書の中に、名古屋で発生した「闇サイト殺人事件」を扱った章がある。ここなんかは読んでいて思わず涙ぐんでしまった。なんの罪もない女性に対し、クソバカ野郎3人が寄り集まって凶行に及ぶ。

 女性は母一人子一人である。唯一母に残せる大切な預金を、この愚者どもに奪われてなるものかと、死の間際に嘘の暗証番号を教える。

「2960」

 にくむわ!

 ワシャはこの女性の最期の機智がたまらなく悲しい。

 そして「2960」を聞き出して、喜んでいるバカ野郎3人のマヌケさはいかばかりであろうか。

 このマヌケな3バカが、死刑になろうとワシャは一片の同情も湧かない。さっさと死ね。というような、過激な議論が展開する。

もちろんメンバーの中には「死刑反対論者」もいて、会議室は密閉できないので、廊下に面した出入口は開いている。たまたま廊下を通りかかった人が「死刑!」「打ち首獄門」「火あぶり」「目には目を」などのワードが飛び交うのを聞けば腰を抜かしますわなぁ。

 

 読書会後、駅前の居酒屋に河岸を変えてまたまた議論。

 その店は長年にわたって読書会後に使っているところなのだが、この武漢ウイルス禍のせいで、客はワシャらの他は2組だけ。先月はワシャらだけだったので、それに比べれば3倍になったわけだけど、これは厳しい状態ですな。

 そこで軽く寿司をつまんでおいしいお酒をちょっぴりいただく。もちろん、ソーシャルディスタンスを取って、三密は避けている。

 

 午後9時30分くらいだった。仲間と別れて上りのホームに降りると、ちょうど快速電車が出るところだった。残念、逃したか。まぁ涼しかったし、酔い覚ましにホームで独り佇んでいた。

 そうしたらね、小学生の高学年くらいの子供たちがピョンピョンと飛び降りてきた。1、2、3、4、5人いる。換算したホームを縦横に駆けまわり始める。「キャハハハ」「キャハハハ」「キャハハハ」。

 元気な子供を見るのは楽しい。自分だってそんなんだった。しかし、駅のホームである。普通電車が入ってくる。すれすれのところを子供が走っている。電車がホームに停車するのを待って、オジサンが声を張り上げた。

「こらーっ!ホームで走り回るんじゃない‼」

 子供たちはその場で凍りついた。オジサンの波動砲のような声は次の駅まで響いたかもしれない(笑)。

 快速電車が入ってきた。ワシャはその子供たちと同じドアから入った。ドアを挟んで進行方向を向いてワシャが立ち、子供たちは5人重なるようにしてワシャと対面している。叱られてたことで、しょんぼりしていた。

 素直ないい子たちじゃないか。おそらく隣町の進学塾に勉強に行っていたのだろう。遅くまで大変だね。でも、今の努力が必ずきみたちの将来の糧になる。がんばれー。ただし、駅のホームで走りまわることは許さんぞ、メッ!