つながるつながる

 昨日の昼、少し時間があったので近くのブックオフに行く。最近のブックオフ武漢ウイルス対策で「30分以上の立ち読み禁止」となっている。それでもコミックのコーナーでは、漫画を熟読している男(ほぼ男ばかりですな)は多い。

 ワシャは基本的に立ち読みはしません。棚を眺めて歩くだけである。タイトルと著者、どちらかというと著者に比重がかかっているかなぁ。だからほとんどの時間は本を手に取ったりはしいない。これといったタイトルと著者を見つけると、棚から抜いて目次を確認する。そして必要とあればカゴに入れるだけ。

 昨日は30分くらいで10冊ほどの本を選んだ。それからひと仕事を済ませて、家に帰って大相撲を観て、それから買ってきた本をつまむようにして読む。

五木寛之『百寺巡礼』(講談社)、粟津則雄『眼とかたち』(未来社)、『日本の美100』(平凡社)、梅原猛『戦争と仏教』(文藝春秋)などなど。

 それほど意識して買ったわけではないけれど、『百寺巡礼』では京都南禅寺のところで「三門」の威容について五木さんが語っていた。『日本の美100』でも池内紀さんが、「やわになりがちな京都の風情をぐっと引き締めているのが禅寺」と言っている。見開きのページには、南禅寺三門から見る東山の鬱蒼とした景色が載っていた。『日本の美』の中には梅原猛さんも登場していて、曽我蕭白の「群仙図屏風」がまぶしく紹介されている。この絵を梅原さんは「鬼気迫るもの」と表現し、「このような絵を描く画人が徳川時代に生きていたことは、日本人にとって大きな誇りであると思う」と言っている。

 この曽我蕭白は『眼とかたち』の中で紹介されている。粟津氏は「狂気をはらんだこの画家のもっとも奥深いものが生々しく立ち現われていて、私はこの画家の異様な世界に一挙に引きこまれたようだ」と言っている。

『戦争と仏教』は書き出しが「京都小見」と題されており、東寺のことが話題となっている。もちろん五木さんの『百寺巡礼』には、「空海がプロデュースした立体曼荼羅」として東寺が紹介されている。

 

 たまたま適当に選んだ本でも、これだけのつながりがあるのである。このつながりがなんともいえず楽しいんですわ。もちろんワシャの好みで選んでいるので、類似項目が入り込む可能性は高いんですけどね。

 あ~、だから読書はやめられない。