本もマンガも

 ワシャは本に囲まれている。それは日々増殖を続け、地震が来たらかなりやばい状態になっているんですね。そう思っていても本屋に行くとついつい買ってしまう。昨日も11冊の本を購ってしまった。メインはなんといってもこれ。

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夏目友人帳』25巻の特装版が、昨日発売だったのじゃ。もちろん2ヶ月くらい前から予約をして、昨日を心待ちにしていたものである。その時に新刊コーナーを物色していて、堀江貴文『努力するな。マンガを読め。』(主婦の友インフォス)と、森博嗣『アンチ整理術』(日本実業出版社)も購入する。まず堀江本について。

 今まで堀江さんが読んだマンガの中から、選りどころが75作品紹介されている。75作品中ワシャが読んだことがあるマンガは3作品だけだった。『漫画 君たちはどう生きるか』、『柔道部物語』、『闇金ウシジマくん』のみ。

 これには愕然としましたぞ!自分的には、漫画、マンガをほどほど読んでいる気がしていたが、堀江さんのラインナップに照らせば4%でしかない。4%なんてほとんど読んでいなということでんがな。『夏目友人帳』ばかりを精読し過ぎたか(反省)。それにワシャは絵がしっくりこないと読めないという癖をもっている。だから『鬼滅の刃』も19巻あるのだけれど、3巻目くらいで挫折した。絵が合わないのである。

 堀江本では、見開き半分をつかってマンガが紹介されている。ざっと眺めたけれど、やはり絵がダメな作家が多いなぁ。でも、手塚治虫細野不二彦も選ばれているし、尾瀬あきら柳本光晴、山田胡瓜・・・などきれいな絵を描く漫画家もいる。ちょっとブックオフで漁ってみることにするか。

堀江本、表紙や帯が強烈だ。

《読むだけで君は“情報強者”になれる》

《最強メディアマンガを味方につけろ》

《ムリして勉強したり、新聞や本を読んだり、セミナーに行ったり・・・そんなことは時間のムダ!てっとり早く情報収集したいならマンガを読めばいい。》

 確かに「てっとり早さ」といえばマンガであろう。しかし、何日か前に書いた藤原正彦さんの言われる活字読書も重要なんだけどね。

 

 そうそう――と言いながら、今、書庫の中で雑誌を探しています――ありました、ありました。

サライ』2018年9月号です。特集が「漫画」で、その巻頭言が養老孟司さんだった。題して「漫画は世界を理解するための基礎。マンガを読んで感性を取り戻せ」。

 内容を要約すると、「漫画は日本語の特性を駆使した、脳の機能からみても高度な表現であり、日本人は日本語で漫画を読む際に、脳のあちこちを使って読んでいる」ということらしい。

 養老さんは、高橋留美子うる星やつら』を材に取り、「錯乱坊」という怪僧の登場シーンで解説をする。「錯乱坊」(さくらんぼう)、錯乱する坊主という漢字ですわな。しかし、本人は「チェリーと呼んでくだされ」と自己紹介をする。以降、錯乱坊は「チェリー」と呼び続けられるわけで、こういった文字の遊びも、漢字もあり仮名もありの日本語ならではの表現だと言われる。

 チェリーのどアップのコマに「揚豚!!」という強い吹き出しがある。そこには「カツ」とルビがふってある。チェリーは「喝」を「揚豚」と言っているのじゃ。あくまで「喝」ではないのである。

 養老さんは、このあたりを示しながら《日本の国語教育は、漫画の読解力も育ててきました。逆に、漫画を読むことが実は日本の国語教育を担っているともいえる。》と指摘する。

 国語教育というところまで辿り着くと、藤原正彦さんの意見と一致を見る。少し強引だけれど、漫画も絵を見ながら文字を追っていく。その上に、文字に「錯乱坊」と「チェリー」、「揚豚」と「カツ」のような感性を解放するような使い道を得意としているのである。

 だから漫画、マンガもせっせと読んだほうがいい、というのがこのところのワシャの読書の結論なのであった。さてと、日記も書いたことだし、近くのブックオフに行って、尾瀬あきら夏子の酒』『蔵人 クロード』、柳本光晴『響~小説家になる方法~』、山田胡瓜『AIの遺電子』などを物色してきますかな(笑)。

 

 おまけで、藤原正彦『本屋を守れ』(PHP新書)に、天才数学者の岡潔の本が紹介されていた。だからさっそく入手した。『春宵十話』(角川ソフィア文庫)、『紫の火花』(朝日文庫)である。岡さんは「情緒」ということを大切に見つめてこられた方で、養老さんはこれを「感性」と言っているだけで、同様のことを言われている。

 このところ、藤原さんから始まって、岡さん、養老さんと科学者の本が続いているが、科学者の方々の文章はとても読みやすいと感じている。