今朝の朝日新聞である。「人民日報」か?
トップに《トランプ氏「WHO脱退」》と打ち、サブに《中国に対抗香港優遇撤廃へ》とある。
まぁ見出し的にはこんなことだろう。事実を伝えてはいる。問題はその中身である。記事は2面に続き、《中国批判 透ける保身 具体策触れず与党も懸念》《コロナの失政 選挙にも影》《いぶかる中国「新冷戦」を警戒》《黙するWHO 予算の1割依存》。
3面のアメリカ総局長の「日曜に想う」というトンデモコラムになると《冷戦とすら呼べない米中の茶番》と題して、香港問題の「ホ」の字も出てこない有り様である。
もう少し詳しく見てみよう。
1面は《世界保健機構(WHO)からの脱退と、「一国二制度」を前提とした香港への優遇措置の見直しが主な柱》であることを淡々と報道している。ただしアメリカが「強硬な姿勢を打ち出した」んで「中国が反発するのは必至」であると、アメリカが先に手を出したような印象操作を施している。
2面に移ると、見出しどおりにである。アメリカの中国批判は《大統領選を控えて自身への批判をかわす狙いが透ける》と断定している。さらにしつこく《トランプ氏が中国に対して強硬な姿勢を打ち出した背景には、自身をとりまく厳しい政治情勢がある。》と畳み掛ける。
このあたりまで読み進めると、「香港問題」は色が薄れ、「トランプの保身」ばかりがクローズアップされてくる。違うよね、朝日新聞。たしかにトランプ大統領は選挙について念頭にあるのかもしれない。しかし、香港の一国二制度が期限を待たずして、中国共産党の思惑だけで壊される現実を紙面から抹消するなよ。
アメリカ総局長のコラムなんかはヒデーェもんだ。「冷戦とすら呼べない」と言っているから、多少は「香港問題」が取り上げられているのかと思えば、まったく皆無で、アメリカの非ばかりを強調する作文になっている。こいつよほど支那中国から便宜供与されているのだろうか。この時期にここまで「香港問題」を無視して作文するのも大変だろうにねぇ。
5面の国際面にようやく「香港問題」が俎上に載ってくる。
《米中はざま 香港苦悩》
お~い、米中冷戦の結果として「香港問題」があるんじゃないぞ。香港の一国二制度、香港の自由と民主主義が破壊されようとしているから、アメリカが動いているというふうにどうして考えられないのか。まぁ朝日新聞紙だから仕方がないんだろうけど(蔑)。
ご丁寧にも、アメリカ人の親中派と北京大学教授のコメントで「アメリカはやり過ぎだ」と言わせている。
そして「香港の大弾圧」と同じ面で、アメリカの「黒人死亡事件」を大々的に扱うことで相対的に前者の小さなニュース化を謀り「印象操作」をしようとする意図が見え隠れする。
香港は終わった。おそらく今後、裕福な香港人の国外流出は止まらない。台湾の蔡英文総統は「香港人への支援」を言明したことは、香港への強いメッセージになっている。イギリスも、香港市民の在留権の拡大方針を示した。これは大きい。将来的にイギリスの市民権獲得にまで至れば、中国共産党もやすやすとイギリスの市民旅券を持つ香港人を粗末には扱えない。
日本は、朝日新聞をはじめとする親中メディア、媚中メディアに汚染されているが、なんとかして香港の自由と民主主義を守らなければならない。
もう戦争は始まっている。日本は旗幟鮮明にしなければならない。建国70年ほどの共産主義国家の属国として生きるのか、荊の道であっても自由と制度としては不完全であるが民主主義を標榜する国々と手を携えるのか。