打たれても響かない

 昨日の昼の記者会見だ。愛知県の大村知事はこう言っている。

 

「集団感染の濃厚接触者が感染しているだけなので、さらに増えていく感じではない」

「なんとか持ちこたえている感じに近い」

「一般の方々に市中で感染が拡大しているわけではない」

「医療体制は十二分に確保できるというのは申し上げておきたい」

福祉施設を中心に感染拡大を抑え込み検査数も増やしていきたい」

 

 愛知県内14例目の死亡者の情報が県より流された。

http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000126/126920/R20316sibouzirei2.pdf

 この情報から判るのは、「名古屋に住んでいた70歳男性が亡くなった」ということだけ。あとの情報は「御遺族の意向により非公表」としている。でもね、基礎疾患があったかなかったか、そしてそれは何という病気だったのか、そういったことを公表しても遺族のプライバシーは毀損されまい。入院先を特定するのは、その病院が槍玉にあげられる可能性もあるので、躊躇するのかもしれないが、どちらにしてもどこかの病院であることは間違いなく、疑心暗鬼をなくすためにも、「〇〇病院でしっかりと隔離して治療をしていた」と公表したほうが多くのまともな県民は安心するに違いない。

 それにしても愛知県の現時点の公表死亡者数は123人だ。昨日の深夜に見たNHKニュースでは、速報が入って124人と言っている。なぜ情報が遅い、愛知県。

 

 それと、大村知事は昨日の記者会見で、大阪府の打ち出した「感染者の症状に応じた対応を決めるチーム」、いわゆるトリアージをする機関創設に対し「重症者優先は当たり前だが、患者にどう対応するかは現場の医師の判断につきるのでは」と疑問を呈していた。

 ここが、元官僚の面倒くささだな。知事は批評家でも評論家でもない。他がやっていることは参考にすればいいことであって、とやかく言っている暇があったらテメーの足元の手当てを急げよ。

 少なくとも記者会見のニュースを聞く限り、切迫感はないし、テレビコメンテーターに毛の生えたようなことしか言わない。吉村大阪知事のように具体的なことを言わなければ県民は安心できないのである。

 

 ワースト1の北海道は、それでも「緊急事態宣言」を行って道民の安全を確保しようと躍起になっている。ワースト2の愛知はというと「現段階では対応していける」と言い「緊急事態宣言」をすることは慎重な見解を示したんだとさ。要はビビッているだけなんだけどね。

「相当な私権制限がかかるので、劇薬ということは間違いない。そこに至らないように我々はしっかりと医療体制の確保、検査の確保をしっかりやっていくことだと思っています」

 私的制限に反応するところは、この知事がサヨクであることを示している。そして後段で言っていることは、評論家でも言わないような当たり前のこと。もっと県民の命を守るリーダーとしての気概を示してくれ。

 ぐずぐずしていると北海道を抜いてしまうぞ。