無任所大臣の北村誠吾氏がボコボコだ。当選7回の72歳でやっとつかんだ大臣なのに、野党はまったく手心を加えず攻撃してくる。この人、人柄はいいとの評判である。こういった評価は一般人には大切ではあるが、国会議員、県会議員になると、人柄を褒められるのは「無能」の裏返しでしかない。暇さえあれば地元にもどり、せっせとあいさつ回りをして「あの先生は町内会の寄り合いにもきちんと顔を出す」と言われるようになったら本物だ(笑)。おそらく北村大臣も月に何度も長崎まで飛んで、ペコペコペコペコ頭を下げまわっていたのだろう。いやいや、卑下して言っているのではない。そうしなければ票にならないから、やむを得ずやってきたのである。
この人、ある意味で政党政治家の本道を歩んでいる。まず大学を出て、地元の国会議員の秘書になる。そしてそこで何年か、政治家のなんたるかを勉強し、県議会議員の補欠選挙に35歳で立候補する。しかし落選した。ううむ、なんとなくオーラを感じる人物ではないからね。しかし北村氏、そんなことではめげるものではない。翌年の佐世保市議会議員選挙に立候補して、見事にご当選とあいなった。県会議員になりたかったのではないのかい?このあたりの適当さが本道であり、とりあえず政治家ならなんでもいいのである。
確かにこの手の議員には、ビジョンがしっかりとしていないのが多い。最初はそれでもいいが、政治経験を積むにつれ、途中で軌道修正して、しっかりした自身の政策を練り上げていくことが求められる。だが、目的は、長くやること、「大臣」になること、なので、本来の政策を固めていくことがどうしても疎かになってしまったんだね(哀)。
おそらく地元では、大臣就任記念祝賀会をあちこちでやっただろうし、忘年会、新年会、後援会のバス旅行などもマメに実施して、地元支援者にゴマをすることは欠かさなかったろう。これは地元の支援者の罪でもある。そんなことをさせるより、東京で少しでも勉強する時間を与えてやればよかったのだ。
この人ばかりでなく、少し前にも国会答弁でうろたえていた櫻田代議士にしてもそうだろう。地元に媚を売ることばかりに専念していれば、どうしたって国政が疎かになる。残念ながら、北村大臣の恥も、櫻田大臣の情けなさも、これは彼らの地元の有権者の愚かさを体現しているに他ならない。他の地域だって笑ってはいられない。自民系の議員はみなバス旅行だの、ホテルでの新年会だのを派立てて、大騒ぎをしているではないか。そんなバスや宴会が全国でどれほどの数が実施されているか?ワシャの知っている小さな町でさえ20回以上に及ぶ。これが全国規模になってごらんなさいよ。ざっと1700自治体だとして、3万とか4万ものバス旅行や宴会が行われていることになる。いや、現実にはもっと多いだろうね。こんな状況を許しておいて国政が立ちゆくとでも思っているのか!
このバス旅行の延長にあるのが一連の「桜を見る会」と言っていい。言ってしまえば、総理大臣になるほどの政治家であろうとも、地元の支援者には媚を売らなければ成り立たないということなのだ。
世界で日本の政治家は二流と言われてきた。しかし、国民がこんな旅行、宴会を「認めている」、「求めている」のだから、そりゃ一流になんかなれないわさ。
政治家のレベルは国民のレベルと言って間違いない。人のいい政治家、いい人の政治家なんかを求めている有権者が愚かなのである。