朝日新聞でリテラシーを

 ワシャは朝日新聞を取っている。もちろん日記を読んでもらえれば、ワシャが左傾していないことはご理解をいただいていると思う。でも、朝日新聞は読む。それも毎朝、楽しみにして。

 これは、昨年亡くなられたコラムニストの勝谷誠彦さんも同様で、メルマガでは、早朝に近所のコンビニまでいそいそと朝日新聞を買いにゆくご自身の描写が何度も何度も綴られていた。

 朝日新聞を率先して読むことで、朝日新聞の極めて偏った視点を確認することで、自分の立ち位置を常に適正な位置に置くことができる。一種のメルクマールと考えているからである。

 普通の国民レベルでは、なかなか「朝日新聞の嘘」が見抜けない。実際に20年前には、完璧に騙されていた。それが、日垣隆さんの『エースを出せ!』(文藝春秋)を読んで目から鱗が落ちた。「新聞は嘘をつく」「テレビは嘘をつく」「左翼は嘘をつく」「保守も嘘をつく」ということに気づかせてくれた。要は、「メディアリテラシーを持て」ということを教えてもらった。

 ワシャの考え方は「保守」である。しかし、その保守であっても、独善的になりがちである。それは自民党の大多数の議員を見ていれば、そう思わざるをえない。気を付けなければ大きな流れに巻き込まれ、己を見失ってしまう。だから、角度を変えてものを見ようということなのである。毒は薬と言うでしょ。朝日新聞の見方、赤旗の見方などが、いい薬になるのであった。

 でも、毒は毒。そこは注意しておかないと、70代全共闘の爺さんたちのように「洗脳」されないとも限らない。眉に唾をつけながら読んでいるのだった。

 併せて、地元紙の中日新聞とか、ネットのニュース記事にも注意して朝の時間を過ごすことにしている。新聞紙とネットを並行して読んでいると、適時性、多様性では、もう紙の媒体はネットに太刀打ちできないね。ワシャは紙の新聞が好きだけれど、もう一時代を終えた感が強い。

 と、言っていたらこんな記事をネットで見つけた。

《経済では韓国は日本に太刀打ちできない!》

https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20190707-00133216/

 コリア・レポート編集長の辺真一氏の論説である。この人の発言はいつも冷静で定量的で、とても理解がしやすい。この記事では、朝日のようにヒステリックに「制裁だ!」「経済戦争の勃発だ!」と叫ぶことはせず、淡々と現在の状況を説く。なにしろ、経済力で韓国が日本に太刀打ちすることは難しい。いくら国名に「大」をつけようとも、実質が伴っていないのだから。

 辺氏は言う。

《「消耗戦」に勝つには耐えられるだけの経済力がなければならない。日韓の経済力を比較すると、どれをとっても日本が断然有利である。そもそも土台から違い過ぎる。》

 このことに、文在寅が一刻も早く気が付いて、矛を収めることをしなければ、韓国国民に多大な迷惑を掛けることになるだろう。

 

 あ!思い出した。

 ここまで書いてきて、昨日のNHK大河ドラマ『いだてん』のことを思い出した。『いだてん』、先週の日曜日から第二部に突入。主人公が中村官九郎から阿部サダヲにスイッチした。申し訳ないが、官九郎と阿部サダヲでは、役者としての格が違う。第一部と第二部ではドラマの面白さが違ってくる。

 その象徴が第二部第1話にラストの1シーンに登場する萩原健一であろう。蔵相高橋是清役で、重厚な存在感を見せている。そして夕べの第2話に、阿部サダヲとからむシーンにも登場した。

 これがショーケンの遺作である。

 このシーンを演じるための葛藤は、『ショーケン最終章』(講談社)に詳しい。

 NHKの撮影が始まるのが、昨年の7月、その段階でショーケンに診断結果が告知されている。医師は「即日入院、即刻手術」であった。

ちょっと引く。

《再手術をするのなら、この機会しかないだろう。それでもドラマをやるのか・・・》

 ショーケンの奥さんは「どうしたいの?」と尋ねたそうだ。ショーケンは即座に「やりたい」と答えて、すべてが決まった。

 その命を削ったショーケンの最期の演技が昨日の阿部サダヲとのからみだった。シーンとしてはコミカルなところもある。だが、ショーケンファンのワシャには、涙なくしては見られない場面だった。

 シーンの中に高橋是清が微笑むカットがある。これは演技としての笑みと、もう一つ、阿部サダヲのようないくぶんの狂気、凶器を含んだ後輩俳優に臨んで、日本の役者の未来に明るさを感じたからではないだろうか。

 ショーケン、相変わらずいい顔をしている。年齢相応の重厚感ある顔になっていた。ワシャも年齢を重ねて、ショーケンみたいないい顔、もちろん顔だちはどうしようもないが、まとった重さのようなものは努力でつくれるものだと思っている。がんばって、リテラシーを磨こうっと。