逆差別

 昨日、所用で名古屋に行く。所用が終わって、伏見界隈で遅い夕食をとった。もちろんワシャは軽く飲む。いや~久しぶりの居酒屋だったので、美味しかったのう。

 でね、伏見から名古屋駅まで地下鉄に乗った。しかし、東山線にはあの悪名高き「女性専用列車」があって、「平日の始発から終発まで」男が乗ってはいけない車両というのがあるんですぞ。ワシャは、会議に参加した女性3人といたので、違和感なくその「悪名車両」にヒョイと乗ったのだった。同行の女性たちも名古屋の人ではないので、「女性専用列車」を通勤に日常的に使っているわけではない。だから気がつかなかったのだ。

 乗ってからワシャが違和感をもった。ワシャが最後に乗った入り口付近から女性たちが潮が引くように遠ざかっていくのだ。そして、その中には敵意のこもった目でワシャを見ている女もいる。犯罪者を見る目とでも言おうか・・・。

「え?なに??」

 ワシャがなにか悪いことをしているのだろうか。睨む女は1人ではなかった。そこで、入り口のドアに張られた黄色の警告文に気がついた。

「健常な男は乗るな」と書いてある。例外として、「小学生以下の男児」と「女性が介護者として同行する障害者」が認められている。

 そして「また、一定の配慮が必要な方等、男性のお客様がご乗車されていることがありますが、ご理解ください」と付記してある。

 ワシャはこれだな。アホだから、一定の配慮が必要なのじゃ。アホが間違えて乗ってしまったら、そこに乗車している女性全員に理解してもらわなければならない。

 女性に対して配慮をすることでは人語におちない、ワシャのような紳士を、まるで痴漢か獣を見るような目つきで見るんじゃない!

 ワシャに同行してくれた3人の女性がワシャを囲むようにして、ワシャのことを嫌悪する周囲の女たちの視線から、ワシャを守ってくれたのだった。

 たかが車両を乗り間違えたくらいで、ここまで嫌な思いをさせられるとは思わなかった。「一定の配慮が必要な男性客」ってどんな奴なんじゃ。八つ当たりではないけれど、名古屋市営地下鉄、もっと明確に書いておけよ。