名言集

「あれでは、とても総理は務まらんな」

「鳩ポッポはソ連に行って『どうか魚を取らせてください』と頼んで逆に脅かされ、中国に行って『物を買って下さい』と頭を下げる。ソ連や中国との外交は脅かすか、利益をちらつかせるかの二つしかないんだよ。それを誠意をもって話し合いで行くという。ソ連に話したって聞いていないんだ。困った人だ」

 戦後最強の宰相、吉田茂の言である。自分の後に総理になった鳩山一郎を評して言っている。血は争えぬもので、鳩山一郎もその孫の由紀夫もあまい政治家だった。

 

「嘘を書くから新聞は読まん!私がまだ腹を決める前から日本の方針はこうだなんて書いて講釈師以上ですよ。新聞に載っていることで信用できるのは死亡公告くらいでしょう」

「朝日はとるな!」

 朝日新聞はずいぶん昔から嫌われているんだね。吉田の弟子の佐藤栄作も、引退記者会見で「新聞は出ていけ、テレビだけにしろ」と言ったのは、吉田学校の校是だったのかも。菅官房長官もこう言いたいだろうね。「とくに東京新聞は出ていけ」と。

 

「本は銭形平次捕物控、テレビはお笑い三人組

 吉田は文化勲章の授章式で、受章者の一人である谷崎潤一郎の『細雪』は読んでいるかと問われてこう答えている。この答えに新聞各社は「吉田は低級趣味だ!」と叩かれるわけだが、そのころ若き新聞記者だった司馬遼太郎は、反対に新聞の「政治家評」の低さにうんざりしたと書いてある。司馬は銭形平次を、その作者である野村胡堂に一目置いていたからである。野村胡堂を評価できない新聞記者たちは今も変わらない。

 野村胡堂についてはここにも書いてます。

https://warusyawa.hateblo.jp/entry/2019/02/16/094740

 

「無礼なことをいうな!バカヤロウ……」

 社会党の議員のくだらない質問を逆手にとって「バカヤロウ」の一言で衆議院を解散し、その後の選挙を経て、自由党単独の第五次吉田内閣を成立させる。

 昭和28年3月14日、衆院本会議でのことであった。