眉唾

 今朝の朝日新聞1面に、《(地球異変)プラごみ漂う「地上の楽園」 インドネシア・バリ島》という記事が載っていた。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13896916.html

 上のURLを開いていただくと、写真があるでしょ。水色の海の中にプラごみが漂い、その中を魚が泳いでいるんですね。記事は、海洋プラスチック汚染の脅威について触れている。

《「地上の楽園」とも言われるインドネシア・バリ島の海が、プラスチックに侵されている。マンタが見られる透明度の高いダイビングスポットに、大量のプラスチックごみが浮かんでいた。飲料ケースに隠れるように小魚が泳いでいる。漂うポリ袋はクラゲのようだ。雨期に、陸地から大量に流れ込むという。》

 ここで「海洋汚染」のことを語りたいということではない。そもそも汚染を進めているプラスチックは石油由来である。つまり、プラスチックは太古の海で海洋生物の死骸が何億年にもわたって堆積した成分によってできている。そして日光などによって分解されてしまう……というようなことを聞いたことがあるので、環境原理主義者の皆さんのようにヒステリックには考えていない。

 問題にしたいのは写真である。

 一番手前に細いそうめんのようになったものがあり、そこにシート状のビニールのようなものが何枚もからみあって団子になっている。少し離れてビニールシートが拡がっている。それらの周辺にストローやプラスチック片がいくつも漂っている。その間を縫うようにして小魚の群れが左から右に遊泳する。いかにも「プラスチックごみにまみれた海」という印象を強く受ける写真となっている。奥の方にダイバーの姿も見えるので、撮影者と2人でこの写真を撮ったのだろう。

 でもね、写真というものは嘘をつく。とくに朝日新聞には「沖縄珊瑚事件」の前科があるからね(笑)。

http://www.geocities.jp/ky_asahisango/

 自分で珊瑚に「KY」と傷をつけて、それを撮影して「サンゴ汚したK・Yってだれだ」 とすっとぼけた記事を、これも1面に載せていた。

《これは一体なんのつもりだろう。(中略)「K・Y」のイニシャルを見つけたとき、しばし言葉を失った。(中略)日本人は、落書きにかけては今や世界に冠たる民族かもしれない。だけどこれは、将来の人たちが見たら、八〇年代日本人の記念碑になるに違いない。百年単位で育ってきたものを、瞬時に傷つけて恥じない、精神の貧しさの、すさんだ心の……。 にしても、一体「K・Y」ってだれだ。》

 それは朝日新聞、お前だ。

 

 だから、水中に漂うプラスチックごみを1面で見せつけられても、にわかには信じられないのだ。

「どうせ周りから掻き集めてきたんじゃないの?」

「自分たちが持ち込んだプラごみをそれらしく漂わせているんじゃないの?」

 と、ついつい疑り深くなってしまう。これも、朝日新聞を読んでいる弊害なのかもしれない(笑)。