間違えました。小さい「ユ」を忘れました。「シュの商人」だった。正確には「酒の商人」と書く。ワシャが高校3年の時代のことである。昨日、最終回を迎えた「今日から俺は!!」
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よりも、少し前の時代にあたる。その当時の高校生もやりたい放題だった。『アルキメデスは手を汚さない』でデビューした青春小説の小峰元のどれかの作品に「高校生は原爆から子供までつくれる」というフレーズがあったくらいだからね。ワシャの周囲に原爆をつくる同級生はいなかったが、子供をつくるのに勤しんでいたヤツはゴロゴロといた。普通にツッパリはいたし、スケコマシも、詐欺師も、ギャンブラーも、酒飲みもいた。煙草や酒はツッパリだったら当然で、ワシャはマジメだったからそういったものには縁がなかった(笑)。
ある日の放課後のこと、生徒会の役員をやっている同級生が人気の途絶えたロッカーの前で手招きをしている。なんのことだろうと思って、近づいていくと、彼は自分のロッカーを開けた。中には角瓶やサントリーリザーブの瓶が鎮座しているではあ〜りませんか。
「なんじゃー!」てなもんですわ。役員は、ニンマリと笑ってワシャらにこう言った。「1杯100円ね」くどいけどワシャは品行方正なので、誘いにのらなかったが、ツレは100円玉を役員に渡して放課後の1杯にありついていた。とんでもない高校生があったもんだ。そいつのことを仲間内では「シュの商人」と呼んでいたものである。
他にも、今のクラウドファンディングを先駆けているようなヤツもいた。同級生にカンパをつのり、その資金をもって駅前のパチンコ屋に行くのである。勝ったら利子をつけて返すというのだが、大方はすってしまい戻ってきたことなどなかった。
駅前の雀荘では、教員の隣りの卓で高校生が「メンタンピンサンシキドラドラ、ドッカーン!」なんてやっていたし、高校の南にあった市役所の食堂では、職員にまじって飯を食い、帰りに近くの公園で一服なんていう姿が普通にあった。
くわえ煙草で歩いていて、自転車の駐在さんとすれ違っても「こら!」と叱られるくらいで、「すいませ〜ん」と煙草を消せば、おとがめはなかった。のんびりとしたいい時代だったと思う。