高輪ゲートウェイ駅

 バカ!
 品川駅と田町駅の間に新設される新駅の名前が発表された。
《JR品川新駅、なぜ「高輪ゲートウェイ」なのか?》
https://toyokeizai.net/articles/-/253324
 一昨日、権太楼の「芝浜」を聴いたところだったので、このニュースに反応してしまった。そうそう日曜のNHKの「落語心中」でも、八雲師匠から助六に「芝浜」が伝授される回だったから、さらに反応してしまう。
 なぜこんな阿呆な名前を選ぶのか?
 JR東日本は、駅名の選定理由についてこう説明している。
「この地域は、古来より街道が通じ江戸の玄関口として賑わいをみせた地であり、明治時代には地域をつなぐ鉄道が開通した由緒あるエリアという歴史的背景を持っています。 新しい街は、世界中から先進的な企業と人材が集う国際交流拠点の形成を目指しており、新駅はこの地域の歴史を受け継ぎ、今後も交流拠点としての機能を担うことになります。新しい駅が、過去と未来、日本と世界、そして多くの人々をつなぐ結節点として、街全体の発展に寄与するよう選定しました」
 この説明も、JR東日本の阿呆幹部の意向をうけて、必死こいて担当が考えた「言い訳」にしか聞こえない。
 新駅名には13000人が応募して、1位は「高輪」、2位が「芝浦」、3位が「芝浜」である。ここに応募者の理性・知性を感じる。それがだ、JR東日本の阿呆が選んだのは130位の「高輪ナンチャラカンチャラ」って、そんな下位の駅名を選択するのであれば、そもそも駅名など募集する必要はないわさ。選考にかけるにしても10位までとかじゃないの?
 選考過程のバカさ加減も呆れるが、安易なカタカナ語を使うセンス、歴史観、文化レベルの無さにも泣けてくる。
 いいか!クソ名を選考した連中よ、ようく聴け(って絶対に伝わらないけど・笑)。
 新駅の周辺はクソ言い訳説明の言うとおり「歴史的背景」を、濃厚に持っている地域なのだ。高輪の大木戸があり、泉岳寺があり、高輪神社があって雑魚場のあった芝浦(芝浜)があって、戦国期には高輪原の合戦なんてのもあった。それほど由緒由来の深い地に建つ駅に外来語をくっつけてどないすんじゃい!
「高輪駅」でいい。落語ファンとしては「芝浜駅」にしてもらって、熊五郎が浜で革財布を拾って呆然としている像なんかが、駅頭に佇んでいるといいじゃあ〜りませんか。財布にさわると金運が増し、口元にさわると断酒ができる……なんていうご利益があれば、勝谷誠彦さんも死なずに済んだかもしれない(泣)。そんな噂が広まれば、人がたくさん集まってきまっせ。

 ジャーナリストの西村幸祐さんもこう指摘する。
「間違いなく日本人の知力が劣化している証拠となった。プレゼンする側はどんなプランでも出すが、選ぶ側に知性のひとかけらもないと、こんな醜態になる。歴史も文化も何もないカラッポな駅名に、四十七士は泣いている」
 そうなのだ。この「高輪ゲートウェイ駅」は醜態なのである。
 かつて知多半島に「南セントレア市」なる醜態自治体名が生まれそうになったことがある。ワシャは真っ向からこれに反対をした。「南セントレア市」が立ち消えになって唯一の恥ずかしい自治体名として「南アルプス市」が残っているが、せっかく都心にできる新駅にその轍は踏んでほしくないなぁ。
 一応、届かないけれど異を唱えておく。