影響ないのは当たり前

 昨日の朝に配信のあったニュース。
《【海外地震ギリシャでM6.8の地震 日本への津波の心配なし》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181026-00006070-weather-soci
 ウェザーニュースが「ギリシャイオニア海震源とする地震」について「マグニチュードは6.8、深さは16.6 km。震源の周辺では、震度5弱相当の揺れが発生したと推定されます」と伝えている。ふうん、ギリシャ地震か、震度5弱なら人的な被害は少ないだろう。その続きを読んでびっくらこいた。
周辺諸国では津波発生の可能性がありますが、この地震による日本への津波の影響はありません」
 それはないだろう(大爆笑)。イオニア海で発生する津波でっせ。例えば想像を絶する高さ50mの津波が発生したとしよう。そんな津波が押し寄せたら、イオニア海沿岸地域はとんでもない被害になる。地中海全体の沿岸でも被害は甚大なものになるだろう。
 でもね、例え50mだとしても、ジブラルタル海峡を抜けなければ大西洋には出られない。インド洋に出るにしても、スエズ運河に押し寄せて、その後、マンダブ海峡を抜けてようやくなのである。西に向かう津波はそこから大西洋を越えなければならない。そこを越えても南北アメリカ大陸に阻まれてしまう。東の波はインド洋を渡って、大スンダ列島に阻まれる。
 どうでしょう。イオニア海で発生した津波が日本に到達する可能性はほぼ0ではないでしょうか。
 このような状況で「この地震による日本への津波の影響はありません」と報じる意味があるのだろうか。意味のない報道なら、邪魔になるだけなので流さないほうがいいのではないか。
 味噌もクソもなんでもかんでも知らせればいいというものではない。

 これは知らせてもらわないとね。
 今年の文化勲章が決まった。作家の阿刀田高さん、片岡仁左衛門丈など馴染のある方の受章がうれしい。馴染といっても大したことではなくて、阿刀田さんの書籍を何冊か読んでいるということや、仁左衛門丈は歌舞伎の舞台で何度か拝見しているというようなことですが、それでもなんだかうれしい。
 そして能楽から大槻文蔵師
http://www.nohkyogen.jp/kensyo/int/44/44i.html
が受章された。これは前述のお二人よりもさらにご縁がある方なのでとても喜んでいる。
 毎年、正月に名古屋能楽堂で大槻先生の主催する会の発表会が開催されている。ワシャの先輩が大槻先生の直弟子という縁もあって、新年になるとその会を覗きに行っている。もうかれこれ十数年になるだろう。
 ワシャが能に興味を持ち始めたのも、その会で大槻先生の仕舞(しまい)を見て、その優雅さ、美しさに魅了されたことによる。
 また平成14年に、梅原猛スーパー狂言「ムツゴロウ」を観たのだが、この時にトビハゼの怨霊を大槻先生が真面目に演じていた。しかしこれがおもしろく先輩と一緒に腹を抱えて笑っていたことを記憶している。なにしろよかった、よかった。