お盆にいい話

 昨日、午後から雷雨に見舞われた。雨の一番ひどかった時にワシャはカッパを装着して街を流星号で走っていたのじゃ。いやーずぶ濡れになったけれど、なんだかとっても気持ちいい。
 その雨でぐっと涼しくなったせいであろうか、夕方、ワシャんちの庭で「リリリ リリリ……」と虫が鳴いていた。脱皮したばかりの鈴虫がそう鳴くらしいが、ワシャにはよく分からない。でも、秋を感じる音色だった。
 それが今朝の大雨である。鈴虫がどこかに避難して無事であることを願う。

 山口県周防大島町の行方不明になった男児が発見された。どのテレビ、新聞にもそのニュースが取り上げられているで、ワシャはニュースの内容には触れない。ただ、男児を見つけたボランティア男性の風貌を見て「あ、地蔵菩薩だ」と思ったので、最初に言っておく。
《「人の命より重いものはない」 男児発見の"スーパーボランティア"が語った人助けの理由》
https://www.fnn.jp/posts/00350520HDK
 小柄で坊主頭、地蔵菩薩は坊主頭である。修行中の身なので髪が伸びていない。にも関わらず、子供を救出するために修行を中断して人間界にやってくる。服装もチベット僧を思わせる臙脂色だし、上記の写真を見るかぎりナップザックの肩紐が袈裟紐に見えるのもご愛嬌だ。
 山道を小走りに登っていくさまも、まさに地蔵菩薩のようであった。ニュースを聞きつけポンコツの軽自動車で大分県からやってきた。早朝に捜索が始まる前に、さっさと行動を開始して、あっという間に男児を発見する。この仕業か神仏ではなくて何であろう。地蔵菩薩が尾畠春夫さん(78)の体を借りて、一刻の猶予もならなかったので、慌てていてすこし地蔵菩薩の雰囲気が小幡さんの体の外に滲み出してしまった(笑)。
 風呂や食事をすすめる男児の祖父の申し出を頑なに拒んで、小畠さんは軽自動車に乗って帰って行った。急がないと、地蔵菩薩だというのがばれるからね。
 世の中、まだまだ神も仏もいるんだね。お盆にいい話を聴いたわい。合掌。