核実験場廃棄(笑)

 朝日新聞が《北朝鮮「核実験場を廃棄」》という見出しを一面トップに持ってきた。おいおい、この程度のニュースは国際面の片隅の扱いでいい。金正恩、端から核兵器を手離す気なんかないって。今使っている核実験場を壊して、新たに別の場所に新設するだけのことで、北朝鮮の言うことを真に受けて「小躍り」してどうする。核弾頭を小さくするのに大規模な実験場はいらない。それこそビルの1フロアもあればできる作業であろう。それにICBMの試射を中止しても、中距離ミサイルはまったくの手つかずで日本列島をその射程に入れている。
 こうなってくると日本は国民と国土を守るために完璧な迎撃態勢を構築するしかない。しかし、これは不可能だ。どこから、いつ撃ってくるのかわからないミサイルを日本海上空で迎撃するなんてことは、五右衛門が乱射された機関銃の弾を1個ずつ斬り落とすくらいの力量が必要となってくる。
 そうするともう一つの方法しかなく、それは技術的には意外に簡単だ。「日本核武装」である。日本も北朝鮮まで届く核ミサイルを数基も持てば、それが絶対の防衛力になる。ミサイル迎撃システムは、どれほどの国家予算を注ぎ込んでも不可能だ。しかし核武装は、現在の日本の技術力をもってすればあっという間に、それも安価に造り上げてしまうだろう。
 ただし、左傾市民の抵抗はただならぬものになるだろう。「核武装するくらいなら、チベットになったほうがいい」「核兵器を持つなら属国になる」と言い出すバカもいるくらいだからね。この福島瑞穂を……間違えた、この人たちを納得させる技術は、日本では冥王星に有人飛行するよりも困難だろう。
 左傾の人たちが信心するほど、国際社会は幸福な世界ではない。おそらく仕組みとしては、200年前からそれほど進化していない。戦争が局地的なものから、ミサイルの及ぶ範囲の民間人までターゲットにし、戦場の概念が極端に拡大した分だけ、後退していると言える。
 核兵器など持たないにこしたことはない。核兵器のない世界がいいに決まっている。しかし、北朝鮮日本海の向こう側で、方向さえ変えれば日本国民の誰でも殺傷できるミサイルを温存しているのである。これに対して、なにもしなくていいですか?私は、家族や、大切な友人や、同じ文化・価値観をもつ同朋や、そして日本に住む人々が、暴走する独裁者の狂気に巻き込まれることはどうしても避けたいと思っている。
 そのための核武装はありだと確信しているし、そのことを肯定する識者も多い。しかし、政治家が「核武装」と言っただけで、情緒に過ぎる日本国民はサヨクの煽動に乗せられて政権をひっくり返すだろう。

 西部邁さんの『核武装論』(講談社現代新書)あたりを読んで、もう一度この国のありかたを考えてみるのもいいのではないか……などと日曜の朝っぱらから想っている。