お盆

 昨日はなにかと忙しかった。9月の会議のための準備で職場に顔を出す。その後、早めに仕事を切り上げて家に戻る。13日ですからね。迎え盆をしなくっちゃいけない。老母を車に乗せて郊外にあるワルシャワ家の墓掃除に行く。エアコンの効いた事務所から炎天下の墓地、じっとしているだけで汗がふき出す。いやはや体力がついていきませんぞ。盆はもう少し涼しい時期、10月とかにならないもんでしょうかね。
 午後4時、陽はいくぶん西に傾いてはいるものの日差しは厳しい。セミの声も降りしきる。それでもね、用意していたタワシで墓石の汚れを落としていると、これが何とも言えず心機が晴れてくる。これはなかなかおもしろい。すみから隅まで磨き上げると軽い達成感があった。墓地の砂利の部分に生えた雑草を抜き、乱れた砂利を整えれば出来上がり。隣の墓まで掃除してしまおうかとも思ったが、それは止めておいた。磨き上げた墓に花を立て蝋燭と線香を点し手を合わせる。

 家に帰って、仏間の縁に盆提灯を下げ、仏壇に蝋燭と線香を点せば、お盆らしい雰囲気になってくる。母親がつつくので、仏前にかしこまって般若心経を誦す。ワシャは子供の頃からお経を唱える時に合わせた手が縄でも縒るように上下に動いてしまう。この姿が滑稽なのか、周りの家族が笑い出す。実家に戻っている妹が「オニーチャン、真面目にやってよ」と言うが、ワシャはいたって真面目なのだ。ただかしこまったこと、あらたまったことが妙に苦手なのである。要するに精神がガキなんでしょうね。
 夕方には来客もあって、それもまたせわしなかったが、なんとかクリアしてやれやれだった。
 
 今日も今日とて朝から和尚さんをお迎えする。それが終わると仕事。さて頑張るとするか。